願い事。蓮花塢の畔で泳いだのはもう何十年前のことだろうか。
その頃は、魏無羨と師姉も一緒にいてくれた。
でも、父母は温氏の討伐に遭い、師姉も不夜天で魏無羨を助けるために我が命を落とし、魏無羨も亡くなってしまった。
あれから十三年の月日が流れ、魏無羨は、何者かから献舎され蘇った。
死んだ者が蘇ったのには驚かされたが、魏無羨が選んだのは藍忘機の隣だった。
藍忘機と魏無羨は道侶となり共に人生を歩むことを決めた。
ある日のこと。
雲深不知処に所用があり、江晩吟は藍啓仁のところを訪れており、帰宅する矢先に、会いたくなかった魏無羨とばったり会う。
「江澄、もうすぐで中秋節だよね?江澄は誰と過ごすの?」
「余計なお世話だ」
中秋節は家族や大事な人と過ごすのが風習とされている。
2015