Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    遙直輝

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💙 💜 👍 👏
    POIPOI 15

    遙直輝

    ☆quiet follow

    現代AU曦澄のちょっとした情景。路上飲酒を推奨する訳じゃあないんですが…余所様に迷惑掛けない程度には、つい帰り道にプシッとやってしまうわけですよ。てへぺろ←

    #曦澄

    Tap to full screen (size:630x928).Repost is prohibited
    💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    takami180

    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

    takami180

    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
    1437

    takami180

    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

    recommended works

    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第二回お題「失敗」

    付き合ってない曦澄、寒室にて。
     夜、二人で庭をながめる。
     今夜は名月ではない。寝待月はまだ山の影から顔を出さない。寒室の庭は暗く、何も見えない。
     藍曦臣はちらりと隣に座る人を見た。
     あぐらをかき、片手に盃を持ち、彼の視線は庭に向けられたままだ。
     こうして二人で夜を迎えるのは初めてだった。
     江澄とはよい友人である。月に一度は雲深不知処か蓮花塢で会う。何もしない、ぼんやりとするだけの時間を共有させてもらえる仲である。
     それでも、亥の刻まで一緒にいたことはない。江澄が藍曦臣を気遣って、その前に必ず「おやすみなさい」と言って別れる。
     今晩はどうしたのだろう。
     平静を保ちつづけていた心臓の、鼓動が少しばかり速くなる。
     宗主の政務で疲れているのだろう。いつもより、もう少しだけ酔いたいのかもしれない。きっと彼に他意はない。
     自らに言い聞かせるように考えて、白い横顔から視線を引きはがす。
     庭は、やはり何も見えない。
     ことり、と江澄が盃を置いた。その右手が床に放り出される。
     空っぽの手だ。
     なにも持たない手。
     いつもいろんなものを抱え込んでふさがっている彼の手が、膝のわきにぽとりと落とされている。
     藍 1843

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄1
    あなたの名を呼びたい
     山門の手前に白い校服を見つけて、江澄は眉をひそめた。それまでよりも大股でずんずんと進み、笑顔で拱手する藍曦臣の前に立つ。
    「何故、ここにあなたがいる!」
    「あなたに会えるのが楽しみで」
    「俺はあなたの見舞いに来たんだ。その本人が出迎えちゃだめだろう!」
     猾猿の封じ込めに成功して十日、江澄ははるばる蓮花塢から雲深不知処に出向いていた。
     幸い雲夢は遠く、猾猿の災禍は及んでいない。一方、姑蘇の地は大荒れで、例年並みに戻った気候が、さらに作物の育成に悪影響を与えている。
     江澄は江宗主として、藍宗主に見舞いを出した。小麦や稗も大量に送ってある。
     その礼状とともに、藍曦臣から江澄宛の文が届いた。怪我の様子をうかがい、健康を祈る文面には一言も会いたいとは書いていなかった。同様に、藍曦臣自身の怪我についても触れていない。
     江澄は即座に返事をしたためた。
     三日後に見舞いに行く、と。
    「もう痛みはありません。ご心配をおかけしました」
     寒室に通されると、藍曦臣はてきぱきと茶を用意した。「いらないから大人しくしていろ」という江澄の苛立ちには、笑顔で「まあまあ」と返されただけだ。
    「それよりも、 1880

    澪標(みおつくし)

    SPUR ME尻叩きその②

    江澄が所属しているのは映画観賞同好会(好きな時に好きな映画を見て好きな時に感想を言い合う)です
    肝試しに行ったら憧れの先輩とお清めセックスをすることになった話②時刻は21:00。大学のキャンパスのある市街地から車で約30分の郊外。参加メンバーのSUVでやってきたその廃墟は、遠目に見た瞬間から「ヤバイ」の一言に尽きた。
    そこはかつてそれなりに繁盛していたが、数年前に突然廃業した元病院なのだという。建物の外観は、壁が崩れているとか蔦が生い茂っているとか、そこまで激しく朽ちている訳ではなく、むしろつい最近まで使用されていたもののように見えるのだが、纏う雰囲気が尋常ではなく「ヤバイ」。人の出入りもなくなって久しいというが、やけに生々しい空気が建物にまとわりついているようで、それがなんとも言えない不気味さを醸し出している。江晩吟は声にこそ出さなかったが、その類まれなる美貌の顔面を、「うげぇ」という正直な感情を抑えることなく思いっきりしかめていたのだが、どうやらこの場の空気の異常さを感じているのは江晩吟と、件の同級生だけであるようだ。ほかのメンバーは、「思ったよりもきれいじゃん」だの、「ちょっと雰囲気足りなかったかなー?」だの、「やだ―虫たくさん飛んでる~」だの、まったく周囲の空気の異様さには気が付いていないようだった。
    1607

    巡(メグル)@20216575z

    DONEわかさんのスペースでお話されていた病弱江澄のお話の一部設定を使わせて貰ったお話。
    ①出会った時、澄は曦を女の子と勘違いする
    ②江澄が病である
    ③澄が曦の元を去る
    ④最後はハピエン
    上記四点を使わせていただきました。
    本家のお話はわかさんに書いていただくのを楽しみにしてます。

    宜しければ感想お聞かせください🙏
    病弱江澄ss曦澄おち「もうここには来んな」
    「どうして?そんな事言わないで、阿澄」
    「どうしてもだ」
    「明日も会いに来るから」

    そう言って帰って行った彼。
    綺麗な顔を歪ませてしまったけれど仕方がなかった。

    小さな頃の約束は果たせそうにない。
    ごめんな。




    初めて藍渙…あの頃は阿渙と呼ばれていた。
    出会ったのはココ。
    このクラス10000の清浄な空気に囲われた箱庭みたいな小さな世界だった。

    俺と同じ病の弟のドナーになるためにこの病院にやってきた彼。
    小児病棟の端っこで他の患児達と混じることなく一人でいた彼はとても可愛らしい顔に不安を滲ませラウンジのベンチに座っていた。

    「忘機…」
    それが弟の名前だったらしかった。

    何となく気になってしまった俺はその子に声をかけてしまっていた。今から思ったら笑えてしまうけれどその時俺は一目惚れをしてしまったのだった、彼に。
    1625