遠くない未来を夢見て握るアモンとマルファルは街に買い出しにでかけた。
もともとマルファスが頼まれた買い物であり、アジトにいたアモンが誘われた。
荷物持ちかと思えば、買い出しの内容はさほど多くもない。
街に露店が並び、マルファスが店主と話をしている。その隣で一緒に話を聞き、たまに買い物した商品の合計金額を問われる。
マルファスが連れ出した意図を察しながら、アモンは小さく答えた。
正解だとにこやかに笑うマルファスから目をそらす。
隣の店は装飾品を扱う店だった。キラキラした装飾品が並ぶ。
その中で星空のように煌めくブローチが目に入った。
煌めく星のように、どこか深い夜のような色合いは夢見の少女を思い浮かばせた。
「……っ!」
目に入ったブローチから彼女を思い出したことにアモンは頬が熱くなった。
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