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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編19

    フォーチュンドール3章3話体育館裏、陰になっており実に目立たない、クランにとって苦手な場所であるだろう。それに定番で言うと、この後恐喝でもされるのではじゃないかとハラハラするクランは光学迷彩で隠れつつ、他に誰かいないか確認してから夜を待った。夜は少し遅れてきた。クランはあたかも自分が遅れてきたかのように夜の前に姿を現した。

    「来たか。こんな場所だから、ビビッて来ないんじゃないかと思ったがな。」
    「なんでこんなところに呼んだんですか?これじゃあ目立たないじゃないですか。」
    「目立たないからだよ。」
    「あ…もしかしてマジですか?」
    「え?マジって何に対して?」
    「いや、普通に考えてこれあれですよねぇ!?いやあああああ!?俺うるさいからここで消されるの?!だーれかー!」
    「あんまり騒ぐな!」
    「これが騒がずに言われますか!」
    「まぁそうだな、俺はお前と組んでもいいなんて言ったら、騒ぐよな?」
    「え?」

    願ったり叶ったりなことで逆に唖然としてしまったクランに対し、夜は口角を上げる。しかし、予想外の反応だったため、もうチームを組んでしまったのかと夜は思い、話を続ける。

    「大体のやつは成績目当てで俺のこと誘うけど、お前は違うようだったからチームを組もうと思ったが、もしかして、あの二人組ともう組んじまったか?」
    「あ、まだ一人枠が空いています!ぜひ組みましょう!よろしくお願いします!」

    クランは状況を理解し一気にテンションをあげる。そして、夜が体育館裏を選んだのは自分かチームを決めるまでまた誘う人が来ないようにするためだったという。クランが携帯で双子に連絡しようとした次の瞬間、夜が突然クランの背中を押し、突き飛ばす。クランが何事かと思い、夜のほうを見ると夜の左手首から血が流れていた。慌てたクランが夜に近づこうとするが夜の目線の先には誉が銃を構えて立っていたのである。

    「おいおい、他人を巻き込むんじゃねえぞ?」

    夜は目に見えないカバンから大剣を取りだし、誉と元へ突進し斬りかかる。誉はその攻撃を躱し足払いをする。バランスを崩した夜を銃で撃とうとしたが、その銃はクランの魔法によって上に弾き飛ばされた。誉は右手の痛みに耐えながら、左手の拳銃を夜に向ける。その時、手を叩く音が聞こえた。先生の呼び止めだ。結界もなしに戦うことは校則違反である。クランも魔法を使って戦ったため、一緒に叱られた。クランはともかく、夜と誉は次やったら退学処分とさせていただくと言われた…。むしろ今までなってなかったのか。クランは、もう夜と誉の戦いが見れないのかと思うとがっかりした。

    凛太郎は癖なのか舌を出して唇をペロペロとなめながら廊下を歩いていた。無意識にお腹空いたなぁと声に出すが特に誰かに気づかれるわけでもなく学校の中でも人出の多い廊下を歩いていた。放課後とはいえ、時期が時期なお陰で帰っている生徒は少なく、チームメイトを探したり、見つけて仲良くなるために話したり、それぞれの戦い方から作戦を考えたりしていた。凛太郎はまだ人がいるだけマシだと思ったがクランはどこに行ったんだろうと探していた。そこでばったり鶴花と出会う。

    「あら、凛太郎くん、さっきぶりね。」
    「鶴花ちゃん、さっきはチームに入れてくれてありがとう。」
    「いえいえ~、たまにはにお兄様もよそ者との交流が必要だと思って。」
    「よそ者…」
    「あ、ごめんね。癖で同じ村出身以外の人の事そう言っちゃうのよ。」
    「あはは…そうなんだ。そういえば誉先輩と一緒じゃないの?」
    「お兄様ってばまた火桜のクソ野郎と喧嘩しちゃってねぇ…。」
    「く、クソ野郎!?鶴花ちゃんそんな言葉使うの!?」
    「普通に使うわよ?」
    「いやぁ~、鶴花ちゃん美人なんだから~言葉選びはした方がモテると思うよ?」

    凛太郎はまだ少し怯えつつも、鶴花と話す。実際に鶴花はかなりの美人であり、誉も顔の傷がなければかなりのイケメンである。鶴花曰く、出身の村の人たちはみんなこれくらいの美男美女であり、村自体も閉鎖的であるため、その遺伝子が受け継がれやすいのだというのだ。鶴花がそういえばと誉と夜の喧嘩の件について話した時に、今回はクランもいたというと、凛太郎はちょうど探していたから助かったと言い、その場を後にした。

    クランが説教から解放されると、そこに凛太郎が歩いてきた。凛太郎は舌をぺろりとさせた後クランに話しかけた。

    「クラン、やっと見つけたよぉ~探しに探してお腹すいちゃった~。」
    「おう、凛太郎は食いしん坊だし何か食べに行く?」
    「そうだね。何食べようか。帰りに食べ歩きって楽しいよね。」

    クランと凛太郎は仲良く、食べ歩きしながら帰っていった。
    それから時間が少し経った頃、晩御飯を食べ終えた内藤家では、2人部屋で零子が布団に横たわりながら、タブレットでとあるサイトを見ていた。そのページには高価な女の子型の人形がたくさん並んでいて、昔から零子はこれがお気に入りなんだとか。人形に手は届かないものの眺めているだけでもうっとりしている零子、そこに風呂上がりの雨が部屋に入ってきた。

    「また見てんのそれ?うっかり購入ボタン押さないようにね。」
    「大丈夫~、このサイトはずっと見てきたからそんなミスしないよ~」
    「フラグなの?昔っから飽きないね~」
    「誰だってずっと好きなものってあるものでしょ~?雨ちゃんだってクランくんのこと好きでしょ~?」
    「は、はぁ?べ、別にそんなことないし!」

    雨は顔を赤らめて、目をそらす。雨は幼少期に誘拐されそうになった時に、クランが光学迷彩で隠れて誘拐犯を不意打ちをした上に目の前で光魔法を使って目つぶしした隙に雨を助け出した事があったため、それ以来クランに好意を抱いている。零子はそんな雨も可愛いと思っている。

    「これから同じ高校だし、同じチームでもあるからまた毎日会えるね。」
    「毎日あのうるさいの聞くのか!?耳が痛くないかもしれないな~。」
    「まんざらでもないくせに。」
    「なっ、とっとにかくさっさと風呂に入れ!」

    零子がパジャマを取り出し風呂に向かったところで雨は零子が見ていたタブレットの画面がつきっぱなしなことを確認する雨はそこまで人形に興味はないが、零子のお気に入りはどんなものかと軽く画面をのぞいた。アマハドールと書かれた文字といくつかの人形、制作者が今年に入って亡くなったことを確認し、画面をスリープモードにした。

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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