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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

    ☆quiet follow

    678文字
    パンそばのタイカケ
    アフロが地毛のタイプ

    「ねぇね、タイガくん」
    「あ?」
    「コンビニ行きたいんだけど、付き合って?」
    「あぁ? 俺もう風呂入ったし、一人で行ってこいよ……」
     時刻は0時を過ぎたところ。うちに泊まりにきていたカケルが、突然風呂上がりの俺に言った。
    「だって、一人じゃ怖いんだもん。夜中のコンビニって、ヤンキーとか怖い人いそうだし……」
    「怖い人って……」
     コンビニ前に不良って、そんなベタな……。平気だから行ってこい、と言いたいところだけど不安そうにしているカケルを見ると、はっきりそう言えない。それに、オフモードのコイツは気が弱いから、不良なんかに絡まれたら一発でやられて有り金全部渡しそうだ(しかもすごい額)。
    「ったく、仕方ねぇな……」
     髪を拭いていたタオルを洗濯機に放り投げ、新しいTシャツと短パンを履く。
    「ありがとう! タイガくん!」
     ホッとした顔。めんこい。
     この顔のためならまぁ、コンビニくらいなら付き合ってやるか。

     そんなこんなでコンビニに向かったら、本当にコンビニ前に絵に描いたような不良がいて、カケルはビビって俺にしがみついた。本当についてきて良かった。
     不良たちは俺らを知らないのか、カケルのアフロを見てクスクス笑った。俺が睨んだら、ぶつくさ言いながら逃げてった。
    「あれれ? いなくなっちゃった。どうしたんだろ?」
    「さぁな? 便所じゃね?」
    「えー? おトイレならコンビニにあるでしょ?」
     カケルからは、俺が不良らを睨んだのは見えてない。見えなくていい。
    「まぁ、いっか! 行こ、タイガくん! 着いてきてくれたお礼に、アイス買ったげる!」
    「おう。サンキュ」
     俺はカケルの肩を抱くようにして、コンビニに入った。
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    オルト

    TRAININGタイカケ。
    付き合っていくうちに、カケルくんに対してだけ策士になっていくのもいいな。
    このところ、結構冷え込む。青森に比べたら全然だけど、それなりに東京も寒くなるんだな、なんて思いながら窓から冬の空を見上げた。今にも降り出しそうだ。この気温だと、みぞれか……雪になってもおかしくない。
    「さみぃよなぁ」
     今朝、寒い寒いと言いながら出て行ったカズオのことを思い出す。寒いのならもっと厚着をしていけばいいのに、と思うけど、ファッションがどうのこうの言って寒そうな薄っぺらいコートで出て行った。そう言えば、傘、ちゃんと持っていったのか? まぁ、アイツのことだから準備してるだろうし、持ってなくても車移動出し大丈夫か……。でも……。
     俺はカズオに一言連絡を入れる。
    ―今日、帰りは?
     仕事中だろうから返事はすぐに来ないだろうと思っていたけど、案外すぐに来た。
    ―今日は久しぶりに電車で帰るよん! 雨降りそうだから急がなきゃ~
     めずらしい。この言いぶりだと、傘も持ってなさそうだ。
    ―何時ころ駅着く?
    ―あと十五分くらいかな。
    「よっし」
     俺は上着を羽織り、全然使ったことのないマフラーを掴んで玄関に向かった。自分の傘とカズオの傘を掴んで外に出ると、ぴゅうと冷たい風が頬を刺した。
    「寒 1064