正しさのかたち【ホー炎】 終わりの瞬間に彼がみせる、おどろくほど無防備なその表情に、ホークスは高揚するとともに、いつもどうしていいかわからなくなる。迷子ってこんな気持ちなんだろうかと頭の片隅で考えて、しかし答えは出ず、少しだけ途方に暮れてしまう。だってホークスは、かつて一度も迷子になったことのない子どもだった。
全力で飛んだ後のように乱れた呼吸を整えながらぼんやりとしていると、もの言いたげな顔でこちらを見上げているエンデヴァーと目が合った。照明を絞ったうす暗い部屋の中でも、月の光を反射しながら揺れる海面のように、彼の青い瞳が小さく輝きを湛えている様子に一瞬みとれた。いつ見ても、何度だってはっとするような気持ちにさせられる。熱で眼球が乾いてしまうのを防ぐためなのか、彼の瞳は他の人間に比べて、水分量が多いような気がしている。
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