過去の君が未来を得る話「ね…?ジムの体が回復したら、君とデートがしたいのだけど」
まだその時は夢に終わるかもしれない話だったのだが、終わり良ければ全て良し。
リハビリも途中ですぐに疲れてしまうのだが、出歩けるくらいにはジムの身体は回復した。
ジムの中に潜んでいた<私>は、身体の回復が確定した段階でもう、出てこないつもりだったようだが…。
身体本来の人格であるジムに気を遣ったのか、デートなんて、と散々嫌がられはした。が、ジム自身が構わないと言ったと伝えると「一度くらいなら…」とようやく了承してくれたのだ。
約束を取り付けてしまえばこちらのもの、意外と律儀な性格をしている彼はもう逃げられない。
言っておくが、これは浮気ではない。このジェームズ・モリアーティ、ジムの中にいた<私>も紛れなくジムの一部であり、ジムに欠かせない要素であると私自身が思っているのだから。
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