初めて、力任せに本多ちゃんをベッドの上に投げた。普段なら押し倒す時だって頭をヘッドボードにぶつけないかとか痛くないようにだとか気にしているのに、今日はそんな余裕が持てなかった。
視界がくらくらと揺れて、怯えたような表情の本多ちゃんが歪む。怖がらせてるな、怖がらせたくなかったな、なんて頭では考えていても身体は止まらない。
「っやだ、やだ、山廃、ねえっ」
「うるさいな…!」
自分でも聞いた事のないくらい大きな声が出て、本多ちゃんが肩を揺らす。怯えられている。僕、一応カレシだったはずなのに。
……そう、彼氏だったはずなのに。心にずんと深く伸し掛るその事実に、カッと瞬間的な怒りが湧いて、本多ちゃんが着ている服を力任せに捲って、ワンピースをたくしあげた。
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