花は、既に咲いていた最近ドゥリーヨダナの交流範囲が広がっていることは知っていたが、どんなサーヴァントと交流しているのかということを調理場の先輩であるエミヤから教えられた。
夜に営業しているバーにいるサーヴァント、賭博をするサーヴァントたち、少々金にがめつい女神等クセの強い面子と交流しているようだと教えられてビーマの眉間に深いシワが刻まれることとなる。
部屋中に花の匂いを撒き散らす当初から再臨を経て部屋中には撒き散らすがまだ薄くなった匂いを、夏場の熱気がお風呂の熱気に変わったようだとマスターは言っていた。ビーマはまだ理解出来ていないが良くなったという表現らしい。
ドゥリーヨダナとはアイアンクローを喰らわせて以来きちんと顔を合わせた時はないのだが、こうして耳に入ってくる情報の限りだと抑える気はあるのかと疑問に思ってしまったので、聞きに行くことにした。
残念ながらビーマはレベルが足りない為にまだ戦場に行く機会がなく調理場のシフトが空いた時間を使い、ドゥリーヨダナを探す。悪巧みしていなければ良し、していれば相応に対処すればいいと部屋の前まで来てノックした。数秒待ってみても出ない。
ふと思い浮かんで鼻を動かし匂いを嗅いでみると、花の匂いを感じないので部屋には本当にいないらしい。交流範囲が広くなっているなら既に噂の交流を深めているサーヴァントの所へ行っているのかと考えたところでフワリ、花の匂いがした。
「げ、ビーマ」
匂いのした方を見ると部屋の持ち主であるドゥリーヨダナが渋い顔を見せてから、顔に変化が現れる。
「いや、待て?都合がいいかもしれんな」