【補足】
■ENGAGE
・💀の立場から見ると、一切連絡とらなくなった🐙は酷いと感じられますが、逆にその時点で💀から連絡を入れていたなら、違う未来があったはずでした。
🐙は幼少からのトラウマもあり、自分に魅力があるとは思っていません。
また、💀が自分に好意を持ってくれているかも、という発想自体ない。
両親の離婚を経験しているため、自分の恋愛感情自体受け入れがたく、その感情と折り合いをつけるのに精一杯でした。そもそも、💀の事情を知っていたために、自分の感情は💀を困らせるだけだという認識でした。
💀から連絡が入っていれば、もちろん大喜びし、違う未来を掴もうとしていたでしょう。
・フート:アラビア語(熱砂のイメージで…)→ギリシャ語に戻すとファレナ。🦁の兄です。
・フートが🐙と仲良しアピールをしたのは、仲の良い人間と親しいことを示すことで、陰キャである💀の警戒心を解き、距離を縮めようという作戦。しかし全ては逆効果で失敗に終わりました。
・ナズナのもうひとつの花言葉は、「あなたに私のすべてを捧げます」
これは恋愛・性的な意味に限らず、🐙において生き方や在り方そのものです。
この時から先の🐙の生き方には大きく💀が食い込んでおり、「あなたの力になり得るように、隣に立つに足るように、頑張りますからね」、という意味を込めた、🐙からのクソデカかつ密やかな意思表示でもありました。
・🐙からの恋情は💀の自覚より早く、💀に伝わっているよりも重いものです。
「ナズナ」も「あの言葉」も「卒業の日のやりとり」も、💀にとっては他愛のない、記憶にすら残らない些細なことで、誤解から忘れてしまいたい苦い思い出ですらありましたが、🐙にとってはいずれも、とても大切なもので、ずっとずっと己の支えにしてきたものでした。
・本来マスターの命令は絶対としてプログラムされているはずのキュアノスが、何故、イデアの命令外に、疑わしいと思われるアズールの行為データまとめを削除したのか。
データ作成時まではプログラムを純粋に実行、その後、彼自身の意思と判断で、データをチェックしたキュアノスが削除を施しました。
これは、彼自身がそもそもアズールを元に作られているため、アズールがイデアを好きであろうこと、イデアを裏切るはずがないだろうことを、イデア以上によく知っていたためです。
・アズールパートの右下のタコはアズール愛用の例のランプ。
・アズール愛用ランプ…キャンドルは、イデア視点ではその思い入れを知るはずもなく、相変わらず閉じた世界にいるため、ただの「キャンドル」としてしか認識されていません。
■ハデス設定
・イデアはシュラウド家の血を色濃く引き、ハデスの持つ属性を多く引き継いでいるという裏設定(いつもの)で書いておりました。そのため、
・イデアが使ったのは闇魔法というより死魔法、シュラウドに連なる特殊な魔法、生まれつき血族だからこそ使えるハデス由来の魔法でした。なじみのない魔法なので、🐙には闇魔法として認識されました。(ハデス様が作中で使用している魔法です)
・拘束魔法は永遠の愛、魂の不滅と死んでも離さないを両立する「アイビー」を起源にする魔法という設定で書きました。(蔓をもつ植物の一種)
・最終話「蛸はエイドスを丸呑みにする」への伏線でもあるのですが、
基本的な魔法の縛りに捕らわれないため、
たとえ四元素と精霊の力を封じ通常の魔法は使えなくなっていても、
イデアは死や異界にまつわる魔法が使える、魔力が行使できる、というハデスチート設定でした。
※また、わざわざあの💀が金庫室に直接出向いた時点で、いくらでも工作が可能で、🐙との直の転移魔法の陣も仕込んでいますし、カメラの方にも介入しています(無断で)。
・イデアはシュラウドを厭いながら、感情が昂ぶってしまった時、本当の欲や願いに駆られた時、🐙を繋ぎ止めておきたい、🐙への執着を見せる時は、シュラウドに纏わる力を気づいたら使ってしまっているところがあります。使わないようにしているはずであるのに、理性が負けて、日頃の言動と矛盾しながらも、クソデカ感情からその力を振るってしまう💀がこの裏にいました。また💀はそんな自分を自覚もしています。
■願い事
・「ねがいごと」でアズールのつけている冠は拘束の魔法でも用いたアイビー(永遠の愛、魂の不滅と死んでも離さない意味を内包)とポプラの木冠(ハデスが見初め、冥界に連れて行ったが為に死んでしまった水の精霊の姿)が入り混じったイデアの欲と葛藤が反映されたもの。(そう見えないのは画力の問題です…)
・チョーカーというよりも首輪・戒め、束縛。
・花嫁衣装というより死に装束。
■蛸はエイドスを丸呑みにする
・モブ男くんが見た青い炎はイデアの髪と言うより死の川。
・モブ男くんをうねうねしてたのは、かつてイデアがウッカリアズールに使った戒めの魔法と同じ類いのもの。
・キュクロプスの兜とは、かつて神の戦いで勝利を得る要になったハデスが所持していた姿隠しの兜のこと。
・本当はキュクロプスの兜をアズールに使いたい。
・わざとログに残るように意図された823の数字はナンバースラング。
823 = Thinking of you あなたのことを思っている
傲慢なハッカーがプログラムにマーキングを残すのと同じ悪戯。
数字のスラングに気づくのは日頃からスラングやコード、数字
などに触れている人間だけ。
アズールが気づくとは思っておらずイデアが気づくであろうで宣戦布告
なおイグニの陰キャなのでもっと直接的であからさまな愛の言葉系は使えていない。
・イデアが、意図的に記憶を失える事を把握した結果、手にした選択肢はいくつかある。欲とかなり近似差でせめぎ合っているものの、おそらくその中で選ぶであろう選択肢は自分の記憶を消すこと。
・そのいずれの選択肢をも全てアズールが丸呑みにして消してしまったという話
・結婚してください=これから先もずっと一緒にいて
言葉自体はMarry me!くらいの掛け声というか常套句、単語で、内包している意味はそれまでの💀の葛藤と激重感情と欲の全て、🐙の未来を奪う事、ずっと自分の側にいて欲しいという願いを口にしてしまうことでした。
・ちなみに、アズールとイデアでハモっています。
・表紙の🐙の格好はお呼ばれしたときの姿を意識しました。
・瞳の中には💀の髪が映り込んで光っています。💀の影になり、また💀には影が落ちているけれど、🐙の瞳の中は💀の炎で輝いています。
■いただいた質問関係
・キュアノスにはなぜ固有名詞があるの?
AZを作った大きな目的の一つが対人応対用であったため。
同時にオルトのボディをより進化させる研究用途も賄っていたため、人間として振る舞うことが前提になっていました。
▼以下キュアノスについての補足
質問いただいたので添えさせていただきますが、モブキャラですので興味のない方は読み飛ばして下さい。
イデアはもともと自分の制作物にはコードをつけており、(バージョン把握のため制作者としての癖というかセオリー)その名残でイデア自身は略称の愛称(エーゼットでアズ)を使っています。
また、つけるコード名にはそもそもこだわりはなく、完成時に勢いでつけるタイプです。
制作中は夢中になってスイッチが入って仕上げ、できあがったキュアノスが、あまりにもアズールに似てしまったことに自分を皮肉って「acquire zero in」とつぶやき、それをもじってコード名をAZにしました。
イデアにとって、キュアノスはオルトとは別の(というよりオルトだけが特別)あくまで自分が作ったロボット(モノ)という認識が強く、イデアにとっての彼はキュアノス(一人格)ではなく、ただのAZです。
なお、acquire zero inとは どんなに努力しても手に入らない
「何も存在しない」、という意味です。
それに加えてあえて固有名詞がある理由は、
キュアノスを作った目的、用途のため。
イデアが起業し事業を始めるにあたり、
実家にオルトをおいてこなければならなくなったため
(実家でのシステム管理がイデアかオルトでなければ制御できない)、
対人・対外的やりとり(他人と自分をつなぐ作業)と、
煩雑な情報処理、作業に集中すると飲食を忘れてしまうため生命維持など、
オルトがしてくれていたサポート面をカバーするという代替え用途が
前提にありました。
さらにキュアノスをまるで人間のように作ったのは、
オルトと離れていてもオルトのボディを進化させ続けるため、
研究用として同程度のドロイドとして制作したため。
そのためメカメカしい姿ではなく人間そのもののような姿で人間として振る舞わせる事で高度な客観的フィードバックを計っています。
「実は機械なんですよ」と会社の技術力を売り込むような使い方もしていません。
(かといって特別隠しているわけでもないので、
重役レベルのごく親しい人間はドロイドであることを知っていますし、何よりイデアにとってはやっぱり機械でしかありません)
キュアノスに名前とボディがあるのはそのためで、
特に髪型などは、用途や顧客対象によってパーツを付け替えています。
仕事時はストレートヘアにしてますが
本来の姿はもっとアズールにそっくりの、
青い髪をしたアズールそのままの姿でした。
これらはキュアノスに課せられた明確な用途、
「道具」としての使い分けであって、
固有名についてもまたイデアには特にこだわりもなく、
適当につけたものでした。
なお、見た目や性能がそうであったように、
イデアは無意識に全てアズールに起因させているため、
毛並みが白いからシロ、みたいな
本人は頭にパッと浮かんだ名をつけたつもりですが
名前もアズールそのものになっています。
(アズール、青をギリシア語にするとキュアノス。
そもそも髪色を青くしてしまったのもイデアの心底の欲から。
ちなみにキュアノスは全てを理解しており、
自分の作られた意味や、全うするべき仕事も把握しています。
しかし思考回路はアズールそのままを元に作られているので、性格も本来はアズールに近く、イデアのことが好きでした。
なので「なにもない」と呼ばれるのがすこし哀しく、でもイデアの思い人の名前に似ている事も知っていて、そういうイデアの不器用で危うい想いの深さも含めて、イデアを大切に思っていました。
キュアノスの「目的」はイデアの生命維持、心身の安定、つまりは幸福であると認識しており、キュアノス自身、自分の恋心はそれらに起因するものであるとして恋だとは認識しないことにしています。
💀を好きだと言ったら🐙に似せて作った自身に自己嫌悪していた💀をまた哀しませるだろうと、そうやって無意識にプログラムしてたんだと言われる結果が目に見えていたからです。
舞台裏のキュアノスは、イデアが幸せになって自分の仕事が大分減ってしまったのが残念に思っているだけと自認していますが、失恋してちょっと元気がないです。
ハピエン厨なので、この後、データベース管理に組まれてたイデアの思考パターンを元に作った人工知能AIと恋におち最終AIイデアも体を得てラブラブハッピーエンドっていうオチも考えてたんですが、まぁモブなのでそれはまた別のお話し。