2人きりサンタクロース 恋人はサンタクロース。文字通りサンタクロース。雪道トナカイを連れて。
恋人はサンタクロース。文字通りサンタクロース。悪い子袋に詰め込んで。
ウタは父親兼指導役兼恋人の男の前に立ってもうすぐ来るクリスマスの足音に耳をすませていた。
もうすぐこの家は世界中の子供たちから届いた手紙で埋まる。その手紙へ返事するのはウタのような見習いサンタの仕事だ。
「他のみんなには声かけないの?」
ロックスターとか連絡待ってると思うんだけどとウタが言えば、シャンクスはまだいいだろと言ってソファへごろりと横になってしまった。うちへ一度一人呼んでしまえばここはあっという間に合宿場と化する。大勢での食事が好きなウタは毎年この時期を楽しみにしている。
しかし、シャンクスは年々ノリ気でなくなってしまっているような気がした。手紙の返事についてはまだ自分達だけで処理できる量だからいいものの、シャンクスの態度は気にかかる。
ウタは転がったシャンクスの上へぺたりと乗っかると男の顔を覗き込む。
「何か嫌なことでもあるの?」
ウタの澄んだ瞳に自身がうつるのを見たシャンクスは彼女の腰の上へ手を滑らせ、「あー……」と少し気まずそうな、それでいて何で分からないんだと拗ねているような顔をして口を開く。
「しばらくお前とこうして過ごせなくなるって思うとなぁ」
すりすりと尻の形を確かめるようになでる男に、ウタは「もう、シャンクスのえっち!」とその身を捩らせた。