仕事に行きたくない彼女ちゃんと萩原萩原が非番の日、お仕事行きたくないー!ってなった彼女ちゃん。「研二に頑張れって言われたら頑張れる…」って言うから「んじゃ、お仕事頑張るお前にご褒美用意しとくからスマホ貸して?」って彼女ちゃんのスマホ借りて寝室に向かう萩原。何だろう?と思いつつも支度してたら戻ってきた萩原にスマホと一緒にイヤホンを渡される。
「昼になったら聞いてみて」ってウインクされるし、頑張れよって行ってらっしゃいのちゅーもしてくれるからなんとか頑張れるね。
昼休みに何だったんだろってイヤホン付けて再生してみるとスマホから萩原の声がする事にえっ!?ってなるし
「🌸ちゃん頑張ってる〜?嫌って言いながらも仕事頑張る🌸ちゃんほんとカッコいいし好きだぜ。帰ってきたらいっぱい甘やかしてあげるから午後も頑張ろうな」って最後にはリップ音も入ってて、元気が出るどころか好きのキャパオーバーで真っ赤になりながら机に突っ伏すような状態に。
突っ伏しながらこれは永久保存だな…なんて思ってるとスマホが震えた。画面を見ると萩原からで、早く声が聞きたくて電話に出ると、そろそろ聞いたかなと思ってなんて楽しそうな声が聞こえてくる。
「聞いた…。早く研二に会いたくなったんだけど、どうしてくれるの…」
「その為の電話だろ?仕事中に会うのは流石に難しいけど、電話ならこうして頑張ってるお前を直接応援出来るし」
「これ以上応援されたら好きすぎて死んじゃう…」
「ははっ、そんな可愛いこと言ってくれんなら一個だけ」
「ん?」
すっと萩原が短く息を吸う音が聞こえて、周りから音が無くなったような気がした。
「…愛してる。早く仕事終わらせて帰ってきて」
甘く優しい声がイヤホンから直接耳に届く。好き、ズルい、今すぐ帰りたい。色んな感情がごちゃ混ぜになって言葉が出てこない。何度か萩原に名前を呼ばれて、ようやく意識が戻ってきたような気がした。
「休憩時間そろそろ終わるよな?大丈夫…?」
「…大丈夫じゃない…!私も早く帰りたい!好きだバカ!!」
これ以上話していると切りたくなくなってしまいそうで、勢いに任せて返事をしてそのまま通話を切った。近くを通った社員に変な目で見られたような気もしたが、そこまで気を配る余裕は無い。萩原のあの一言のせいでさっさと仕.事を終わらせて定時で上がる事しか考えられなくなるのだった。
家に帰ると「おかえり」って夕飯もお風呂の支度も済ませた萩原が笑顔で出迎えてくれるので、1日の疲れは吹き飛ぶし、嫌というほど甘やかされることになる。