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    水月 千尋

    @arukurein

    短すぎるものは恥ずかしいのでフォロワ限。
    R18はリス限。
    一部、支部に置いてあるものとかぶってる。

    マイタグを細かく付けたので
    少しは作品を探しやすいといいなぁ……
    と、思っている。


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    水月 千尋

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    #ritk版深夜の60分一発勝負
    【お題:ロマンス、ごっこ遊び】(所要時間:2h)

    お題2つお借りしましたが、ロマンス要素がほぼ皆無な気がしないでもない。

    #類司
    Ruikasa
    ##ワンライ
    ##類司

    【まだ知らない、その名前】【まだ知らない、その名前】
    「はい、司くん。あーん♡」
    「あ……あーん」

     中庭での昼食。甘ったるい声で類が差し出してきたのは、ちくわの磯辺揚げだ。目の前にあるそれにかじりつけば青のりの良い香りがふわんと口内に広がり、咀嚼すればちくわの甘みがそれに続く。うまい。しかしその間も熱い視線を投げかけてくる類に、嚥下したオレは──ひどく今更な事を──問うた。

    「類。なぜオレ達はこんな事をしているんだ?」
    「おや、僕の旦那様は健忘症かい?」
    「ちがうわっ! あとその旦那様はやめろ!」
    「ダーリンの方がお好みかな」
    「それもアウトだーーー!!」

     拳を震わせてひとしきり叫ぶと、類はくつくつ肩を揺らした。

    「フフ、冗談だよ。でもこれが一番手っ取り早く『恋人』をイメージできるだろう?」
    「う……」

     ぐうの音も出ない。
     そもそも、次のショーの内容を恋愛物にしてみようと言ったのはオレだ。だが恋愛をしたこともないせいか書いた脚本が仲間達、特に目の前の演出家からことごとくダメ出しを食らって遅々として進まず、頭を抱えていた。すると類が言ったのだ。『実際にロマンスを感じられることがあれば進むかもしれないね』と。
     そこで、とりあえず恋人のような振る舞いをしてみるかという話になり……今に至る。

    「だが、もっと他に方法がある気がしてだな」
    「例えば?」
    「あー……手を繋いだり、ハグをしたりとか」
    「手をつないで、ハグ……ねぇ」

     何やら意味深な笑みを浮かべた類は弁当と箸を脇へ置いて、空のオレの手をそっとすくいあげた。そのまま優しく握りしめ、木漏れ日に輝くシトリンの双眸で上目遣いにオレを見やる。
     と。

     どくん。

     心臓が、跳ねた。それを皮切りに早鐘のように鼓動を打ち始める。ドキドキしすぎて痛いくらいだ。ふわふわした心地なのに、さっきまで欠片も無かったはずの強い気恥ずかしさで正面から類を見られない。じんわり汗ばむ手を気付かれたくなくて振り払いたい気持ちと、まだ繋いでいたい気持ちが、頭の中でせめぎあう。
     それに何より──
     胸の奥から温かい想いが沸き上がってくる。
     ショーをする時の緊張感とも高揚感とも違う。楽しみにしていた舞台を観た時とも、もちろん違う……。これはなんなのだろう?
     そんなオレの変調を尻目に、おもむろに手を離した類は今度は腕を回して抱き締めてきた。手を握った時と同じ、優しく包むような力加減だ。ほんの少しの抵抗で振りほどけるだろう──そうわかっているはずなのに、なぜかオレは息をつめるしか出来なくて。一層激しくなる心臓の音が聞こえてしまわないか、なんて心配までよぎった直後だった。


    「──愛してるよ」


     耳朶に落ちてきた、吐息混じりの甘い囁き。
     刹那、今まで感じたことのないゾクゾクしたものが不意に腰から背中までをかけ上がった。それに押し出されて妙に高い小さい声までもれてしまったが──そのことに気付いたのかどうなのか──聞きなれた微笑が鼓膜を打ち、長い腕の戒めがするりと解けた。

    「どうだい? 少しは脚本の役に立ちそうかな?」

     至極上機嫌なその笑顔がどこか含みのあるものに見えた気がした。……が、内側からの熱で茹だっている頭ではうまく考えがまとまるわけもなく。オレは、まだバクバクしている心臓と、女性のような高い声を意図せず紡いでしまった自分の口元を押さえて、うめいた。

    「…………ああ。もう、十分だ」

     それは良かった、と答える声はいやに弾んでいた。
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    水月 千尋

    DOODLE参謀🎈×将校🌟。(モブ参前提)
    単話調にタイトルついてますが、実質4話目。

    まだ完結してませんが、以降の話は作成中。


    ========


    【前話】
    →https://poipiku.com/599411/10134333.html
    【すれちがいの午後】
     暖かな陽気。穏やかな風に、やわらかい日射し──。前日の肌寒さが嘘のように、今日は朝から春めいた良い天気だった。屋敷前の木々へ羽を休めに来たらしい小鳥のさえずりも、心なしか賑やかだ。
     そんな変化は窓の外だけにとどまらない。普段は日当たりが良いとはいえないこの執務室にも陽光が射し込んできていた。ささやかな恩恵程度ではあるが、窓際に飾った一輪挿しの花瓶越しの光が今座っている机の所まで届くのは初めて見る。もう少し暖かくなってきたらこの部屋のまた違う一面を見られるのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみだ。
     一方で、机の端に積んだ要望書の量は昨日や一昨日と何ら変化はなかった。放置しているのではない。処理出来た分と同じくらいの枚数が翌朝に届く為、一向に減っていかないのだ。作業自体は一枚一枚に目を通して可否のサインをしていくだけではあるものの、その可否を決めるのに手間取る案件も当然混在していて気も抜けない。
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    hukurage41

    DONE #ritk版深夜の60分一発勝負
    演目)七夕
    ※画像でもあげたのですが、なかなか見にくかったのでポイピクにも同時にあげます。

    ・遠距離恋愛ルツ
    ・息をするように年齢操作(20代半ば)
    ・かつて書いた七夕ポエムをリサイクルしようと始めたのに、書き終えたら案外違う話になった
    星空を蹴っ飛ばせ「会いたいなぁ」

     ポロリと口から転がり出てしまった。
     声に出すと更に思いが募る。言わなきゃよかったけど、出てしまったものはしょうがない。

    「会いたい、あいたい。ねえ、会いたいんだけど、司くん。」
     類は子供っぽく駄々をこねた。
     電子のカササギが僕らの声を届けてくれはするけれど、それだけでは物足りない。
     
     会いたい。

     あの鼈甲の目を見たい。目を見て会話をしたい。くるくる変わる表情を具に見ていたい。
     絹のような髪に触れたい。滑らかな肌に触れたい。柔らかい二の腕とかを揉みしだきたい。
     赤く色づく唇を味わいたい。その奥に蠢く艶かしい舌を味わいたい。粒の揃った白い歯の硬さを確かめたい。
     匂いを嗅ぎたい。彼の甘く香ばしい匂い。お日様のような、というのは多分に彼から想像するイメージに引きずられている。チョコレートのように甘ったるいのともちょっと違う、類にだけわかる、と自負している司の匂い。その匂いを肺いっぱいに吸い込みたい。
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