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    水月 千尋

    @arukurein

    短すぎるものは恥ずかしいのでフォロワ限。
    R18はリス限。
    一部、支部に置いてあるものとかぶってる。

    マイタグを細かく付けたので
    少しは作品を探しやすいといいなぁ……
    と、思っている。


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    水月 千尋

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    参謀🎈×将校🌟。
    画像投稿用として書いたので1000字もない有り様ですが、話が続き物になってしまったので全体公開で置いておきます。


    =======


    【前話】(🔞参将)
    https://poipiku.com/599411/8830126.html

    ##類司派生
    #派生ルツ
    derivativeLutz
    #参将
    generalissimo

    【病床凸凹ランデブー】【病床凸凹ランデブー】
     皿の上に並べられた八等分のりんご。そのひとつを渋々つまんで持ち上げる。うさぎの耳なんてものもない簡素な姿のそれを一口かじれば、むいた彼は少しほっとしたように目尻を下げた。……なんてだらしない顔だろう。どう見ても、情けなくも病に伏してしまったベッド上の咎人へ向ける顔ではない。これでよく将校が務まるものだ。
     本音を言えばあまり声を出したくはないが、風邪で痛む喉で無理やり果実の破片を飲み込んで、唸るように言った。

    「……これでいいでしょう。さっさと帰って下さい」

     そう、一刻も早く部屋を出ていってもらわなくては。贖罪中なのに何故か休暇まで与えられる自分と違って、将校どのは未だ多忙を極める身。風邪などうつっては大変だ。
     ──だというのに、こんなところまで見舞いにくるなんて。この人は本当にどこまで甘いのだろう。
     胸中で何度目かの舌打ちをしていると彼はくすりと笑って椅子を立った。

    「果物なら食えるようだから、明日また別のを持ってこよう。丁度、森の民達から貰った物があるんだ」
    「来なくて結構。明日は仕事に戻ります」
    「む、そうか。だがあまり無理は」
    「しつこいですね、あまり口うるさいとまた襲って黙らせますよっ?」

     つい声を荒げてしまう。しかも将校どのを捕らえたあの時の事まで、ちらりと口走ってしまった。これは流石に反省の色無しと思われ、処罰されてもおかしくない行為。……であるはずなのだが。
     どうやら彼には全く効果がなかったらしい。殊更、嬉しそうに微笑んできた。

    「それくらいの元気があれば平気かもしれんな」
    「だから──」
    「では私は帰るとしよう。また明日な。……待っているぞ、私の参謀」

     そう言うと踵を返し、軽い足取りの音だけ残して部屋を出ていった。空気が動いたからだろうか。直後に、柑橘系だが甘さのある香りがふわりと鼻をくすぐった。彼のオーデコロンの残り香だ。将校どのの側で仕事をしている時には、いつもわずかにこの香りがある。普段なら何も思わないのに──今は胸の奥がむずむずするような感じを覚えてひどく落ち着かない。
     ──いっそ今度は本当に襲ってしまうか。
     一人きりになった静かな空間に、それまでずっと我慢していた咳を怒涛の勢いで響かせながら。明日の為にごろんとベッドへ横になった。
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    Replies from the creator

    水月 千尋

    DOODLE参謀🎈×将校🌟。(モブ参前提)
    単話調にタイトルついてますが、実質4話目。

    まだ完結してませんが、以降の話は作成中。


    ========


    【前話】
    →https://poipiku.com/599411/10134333.html
    【すれちがいの午後】
     暖かな陽気。穏やかな風に、やわらかい日射し──。前日の肌寒さが嘘のように、今日は朝から春めいた良い天気だった。屋敷前の木々へ羽を休めに来たらしい小鳥のさえずりも、心なしか賑やかだ。
     そんな変化は窓の外だけにとどまらない。普段は日当たりが良いとはいえないこの執務室にも陽光が射し込んできていた。ささやかな恩恵程度ではあるが、窓際に飾った一輪挿しの花瓶越しの光が今座っている机の所まで届くのは初めて見る。もう少し暖かくなってきたらこの部屋のまた違う一面を見られるのかもしれないと思うと、それはそれで楽しみだ。
     一方で、机の端に積んだ要望書の量は昨日や一昨日と何ら変化はなかった。放置しているのではない。処理出来た分と同じくらいの枚数が翌朝に届く為、一向に減っていかないのだ。作業自体は一枚一枚に目を通して可否のサインをしていくだけではあるものの、その可否を決めるのに手間取る案件も当然混在していて気も抜けない。
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    DONE第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』で書かせていただきました!
    ひっさびさに本気出して挑んでみましたが、急いだ分かなりしっちゃかめっちゃかな文章になっていて、読みづらくて申し訳ないです💦これが私の限界…😇ちなみにこちらhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17839801#5 の時間軸の二人です。よかったら合わせてご覧下さい✨
    第1回 ヴィク勇版ワンドロワンライ『ひまわり』※支部に投稿してあるツイログまとめ内の『トイレットペーパーを買う』と同じ時間軸の二人です。
    日常ネタがお好きな方は、よかったらそちらもご覧ください!(どさくさに紛れて宣伝)



    第1回ヴィク勇ワンドロワンライ『ひまわり』


    「タダイマー」
    「おかえり! って……わっ、どうしたのそれ?」

    帰ってきたヴィクトルの腕の中には、小ぶりなひまわりの花束があった。

    「角の花屋の奥さんが、持ってイキナ~ってくれたんだ」

    角の花屋とは、僕たちが住んでいるマンションの近くにある交差点の、まさしく角にある個人経営の花屋さんのことだ。ヴィクトルはそこでよく花を買っていて、店長とその奥さんとは世間話も交わす、馴染みだったりする。

    ヴィクトルは流石ロシア男という感じで、何かにつけて日常的に花を買ってきては、僕にプレゼントしてくれる。日本の男が花を贈るといったら、母の日や誕生日ぐらいが関の山だけど、ヴィクトルはまるで息をするかのごとく自然に花を買い求め、愛の言葉と共に僕に手渡してくれるのだ。
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