【モブ女は見た!】 私は、どこにでもいる普通の社畜。
日々とあるカフェにて推し成分と糖分を摂取しながら、どうにか生きている。
今日もエレベーターでオフィスのある十階から、カフェのある一階へ降りる。毎回降りていくのは面倒ではないか、と思われるかもしれないが、推しと美味しいコーヒーが待っていると思えば、そこまで苦ではない……と、思いたいだけかもしれない。
エレベーターを降りて左へ曲がると、見慣れたあの有名なロゴ。店内へ入ると、ふわりとコーヒーの良い香り。お昼時を過ぎた店内には、空席もいくつかあった。普段は座れることはごく希なので、午前の仕事が長引いたことに、少しだけ感謝してやらなくもない。さて、推しはいるだろうか……
「いらっしゃいませ!」
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