一生完成しない それはある夜のことだった。コンコンと控えめなノックの音がして、ドアを開ける。そこには季節には不釣合いな分厚い上着を羽織ったシュウが立っていた。
「シュウ? どうしたの、暑くない?」
「ルカ…その、入っていい?」
「あぁ、もちろん!」
シュウが来てくれたことが嬉しくて、いそいそと部屋にあげる。羽織っていた上着を脱いだ姿には違和感があって。
「シュウ…その、胸のところどうしたの?」
シュウの服は胸のところがじっとりと濡れており、肌に張り付いていた。
「…呪いみたいでね。 なんでか分からないけど、母乳?がでてこまってるんだよ」
解呪しようとしてもできないし、一人でこの状況を抱えきれなくてと苦笑する。その間にも、シュウの胸からチロチロと母乳が流れていた。
「ええと…俺、どうすればいい?」
「うーん…思わず来ちゃっただけだからなぁ。 ルカと共有できたし、今日は部屋に戻ろうかな。 明日にはなおってるといいけど」
といいながら、シュウはドアへ向かおうとする。思わずその手を引き、自分の方へと引き寄せた。
「シュウ、その、さ、触ったり舐めたりしていい?」
「ハ?!」
「出し切ったら出なくなるかもしれないじゃん」
「えぇ、なにそれ、そんな」
じ、とシュウをみつめる。シュウは目をさ迷わせ、仕方がないというふうにため息をついた。
「物は試しだよね」
ここまでは書けました