Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    mougen_mousou

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 53

    mougen_mousou

    ☆quiet follow

    👟🦊
    ##shusta

    眠れない夜 ぱちり。電気が消える。時計は十二時を指しており、もう寝る時間だ。明日も学校があるし、今日の疲れを休んで癒さなければいけない。ミスタはタオルケットを持ち上げ、くるりと自分に巻く。目を閉じれば、静寂がミスタを支配する。はずだった。
    「ミスタ、起きてる?」
    二段ベッドの上で寝ているシュウがそう問いかける。
    「流石にこんなに早く寝れんわ。 一緒に寝るの?」
    電気を消してから声をかける。これは二人で寝たい時の合言葉だった。
    「うん。 なんだか寝付けなそうでさ、少し話そうよ」
    「明日起きれなくても知らねぇぞ〜? じゃあ電気つけて、布団敷こう」
    暗かった部屋は明かりで照らされ、ミスタとシュウはがさごそとクローゼットから予備の布団を取り出す。床に敷いてやれば二人で寝る環境は整った。
    「そろそろさぁ、これも限界あるよな。 二人で寝るには狭すぎる」
    「ボクは嫌いじゃないけどなぁ。 ミスタが傍にいるって感じて落ち着くし」
    「さようで」
    再び電気を消し、ちょっと詰めてだの狭いよだのと言いながら布団に潜り込む。小さなシングルサイズの布団では、育ち盛りの学生を二人も受け入れる余裕は無い。だがそこに無理やり入り込むのだ。
    「明日の体育なんだっけ」
    「サッカー。 あ〜やりたくない…こんな暑いのに外で走り回るんだよ、最悪」
    「んはは、ミスタこの時期の体育嫌いだよね」
    「好きなやついんの?」
    「ボクは嫌いじゃない」
    「うげえ」
    ぽつりぽつりと言葉が交わされる。気がつけば時計の針は一時を指していた。
    「なぁ、シュウ。 もう寝ないと」
    「もう? あぁ、こんな時間。 嫌だなぁ、明日サボっちゃいたい」
    「なんて言って、ちゃっかり起きるくせに」
    おやすみ。手を握って、身を寄せる。いつか二人で眠れない日が来ることは互いに気がついていた。だから今だけは、たわいない話をしながら二人で眠りにつこう。優しい夜の闇に包まれて。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏☺❤💖💖💒
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works