悪戯失敗 ぱちり、目が覚めた。辺りはまだ暗く、腕の中を見ればシュウがすやすやと眠っている。オレが眠る時はまだ起きていたから、自分から腕の中に入ってきてくれたのだろう。口元に置かれた手が可愛くて、思わず笑みが漏れる。
「…POG」
シュウを抱きしめていた手を動かし、そっと頬へ触れる。冬の寒さでひんやりとしていて気持ちがいい。
「シュウ、冷えてるよ」
そっとシュウに近づき、頬に口付ける。
「……は、ははっ!なんちゃって」
「何笑ってるの」
「!!」
「せっかくキスしてくれたのに、誤魔化すのは酷いんじゃない」
「シュ、シュウ、起きて?」
「起きてたよ、頬触られた時から。 …普段はキスしてくれないのに、寝てたらしてくれるんだ?」
「Noooooo違くて、そのっ、あ〜…!」
顔が熱い。じとっとした目線から逃れられず、何か言い訳をしようとするが上手く言葉にならない。こういう時、みんなならなんて言うんだろう。
「何考えてるの」
「え?! いや、その…ご、ごめんなさい」
「…ん、…ふふっ」
「シュウ?」
「んはは! 冗談だよ。 もう、ルカってば百面相してて、んはっ、おかしい…!」
ね、もう一回キスして?そういって、シュウは目を閉じる。ドキドキと鳴り止まない胸を押さえつけ、唇にキスを落とした。顔を話せば、ふわりとした微笑みがこちらを射抜く。
「んふふ、よく出来ました。 次はちゃんと起きてる時にしてね」
「う…頑張りマス…」