百物語転校にはもう慣れっこだった。ただいつもと違う点は、なんでだか有名私立校に通うことになったこと。学力もないおれがここでやっていけるのか不安だし、そもそもこんないい所に行かせてもらうのは申し訳がない。暗い気持ちを押し殺しミスタは教師のあとを歩く。
「転校生を紹介する」
これを聞いたのは何度目だろうか。今回もきっとすぐ環境が変わる。程よくやっていこう。
「ミスタリアスです。よろしく」
「席は闇ノの隣が空いているな」
そう言って教師が指さした先には、変わった髪型の男が座っていた。
「Hello〜〜よろしくね、ミスタくん」
「よろしく」
なんていって、すぐいなくなると思うけど。
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やはり有名校だけあり、内容について行くのが難しい。数学なんて特に暗号にしか見えない。
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