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    うすきみ

    @usukimi377

    七海建人の沼にハマっております
    七海×夢主中心に書いてます

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    呪詛ミン×呪詛師夢主
    自覚させてから頂こうとする呪詛ミンの話
    軽い匂わせあります

    撒いた種が花開く時高専を卒業し、同期が一人もいなくなって、呪術師の存在意義を考え出した頃、夏油様に声をかけられた。何回か会って話して、結果私は離反して呪詛師になった。相変わらず居なくなってしまう人はいるけど、それでも弱者の為に戦う呪術師よりはマシだと思った。
    そんな呪詛師の中でも、私が夏油様の次に尊敬している(仕事に関してだけどけど)のが、七海さんだ。七海さんは、いつも施設にいる訳では無いけれど、週に何回か来ているようで、割とよく会う。最初は怖い人なのかと思ったけど、話してるうちに良い人なんだと分かった。呪詛師に良い人っていうのも変だけど、他の人に比べて常識もあるし、紳士な感じがする。
    その七海さんが、最近少しおかしい。いや、呪詛師は私を含め皆何処かおかしいんだけど、そういうのじゃなくて、おかしい。というか、いつも女の影がチラつくようになった。だって、毎日違う女物の香水の匂いがする。しかも、付けてると言うか、移り香みたいな。夏油様は良く違う女の人連れてることがあるけど、七海さんまでそんな人だとは思わなかった。まぁ、まだ二十代らしいし、男の人だし、あれだけイケメンならそういう事もするだろう。別にそれで彼への仕事に関しての尊敬が無くなるかと言われれば、そんな事は無いが、少しだけガッカリというか……何かモヤッとするのは何でだろう。

    ある日、依頼を済ませて施設に帰ると、七海さんと夏油様の信者らしき女が廊下で仲良さげに話していた。女は七海さんの腕にボディタッチなんかして、下心が見え見えだ。……気持ち悪っ。私は何食わぬ顔をしてその横を会釈をして通り過ぎる。二人は話に夢中で私なんて無視だ。クソがっ。これだから猿は嫌いだ。
    私は自分に与えられている部屋に入り、持っていた鞄をソファに乱暴に投げ置いた。何でこんなにイライラするんだろう。別に七海さんはただの同業者で、ましてや団体に属してる訳でもない。少し話すくらいだし、なんて事ない。なのに、このイラつきは何?
    ソファに座り、理由の分からないイラつきに耐えていると、扉をノックする音がする。返事をすると、ドアが開けられ、思いもよらない人物が顔を覗かせた。
    「お疲れ様です」
    「七海さん、何か御用ですか?」
    イラつきが言葉に乗り、かなり冷たい言い方になってしまった。しかし、七海さんは薄く笑って私の方へと歩み寄ってきた。
    「ご機嫌斜めですね」
    楽しそうに言いながら、彼は私の隣に座る。
    「別に。御用はなんですか?今あまり人と話したくないんですが」
    「そろそろ頃合かと思いまして」
    「は?何の話ですか?」
    「私の撒いた種はちゃんと花をつけてくれたようですので、他の誰かに取られる前に摘み取っておこうと思いまして」
    「言ってる意味が分からないんですが。揶揄うだけなら出ていってください」
    そう言って、ドアを開けに立ち上がろうとすると彼が私の腕を引っ張った。その反動で私は元の位置に逆戻りする。
    「本当にわからないんですか?」
    翠の瞳が私を真っ直ぐに見据える。
    「わかりません。何なんですか。さっきから」
    腕を振り払い視線を逸らすと、顎を掴んで目を合わせられる。
    「鈍感だな」
    「な」
    んなんですか、という言葉は彼の唇に塞がれて紡ぐ事ができなかった。何が起きたのか全く分からず、ただされるがまま。彼は真っ直ぐに私を見ながら唇を離して口角を片方だけ上げた。
    「可愛いな」
    「え、いや、え?」
    訳が分からず、目を瞬かせていると優しく笑った七海さんの指が、私の頬を撫でた。
    「わかりましたか?」
    「え?何が?」
    「私の気持ち」
    「は?え?」
    七海さんの話が全く分からない。七海さんの気持ちって何?てか、何でキスされたの?え?思考が停止して何も考えられない私を、七海さんがほくそ笑む。
    「女物の香水を匂わせたのも、あんな女とスキンシップを取っていたのも、全て貴女に嫉妬して欲しかったからですよ?」
    「……は?」
    「あ、ちなみにやましい事は何も無いですよ?あの香水も匂いの強い信者と話して付けただけなので。そういう事をしたいと思うのは、貴女だけだ」
    耳元で甘く囁く低い声に、背筋がゾクリとする。
    「貴女がここ最近不機嫌なのは、私が女の影をチラつかせていたからでしょう?」
    「は?」
    「今だって、私があんな女と仲良さげに話していたから、嫉妬したのでしょう?」
    「いや」
    「可愛いな。私が愛しているのは貴女だけだから、大丈夫ですよ。まぁ、嫉妬している貴女も可愛いから良いんですけど」
    彼は嬉しそうに話しながら、私の頭を撫でた。その手が髪をすき、耳を撫で、首元で止まり、太くて無骨な指が、首を怪しく移動する。
    「な、なみ、さん、やめっ」
    「止めていう顔では無いですが、本当に止めていいんですか?」
    楽しそうに私の体をなぞりながら、彼は妖しく笑う。確かに嫌では無い自分がいる。寧ろ、あの女達よりも彼の特別であると言われた事に嬉しささえある。
    「貴女も、私が好きなんでしょう?素直になったらどうです?」
    「好き……?」
    「えぇ。だから嫉妬したのでしょう?あの女達に」
    そうなのか。私は七海さんが好きだったのか。だから、女の影がチラつけば落胆し、他の女との接触を見てイラついた。今まで誰かを好きになった事なんて無かったから気づかなかった。そっか……私は七海さんの事が好きなんだ。
    自分の気持ちに納得すると、蓋が開いた様に急に彼への想いが溢れ出す。嫉妬、独占欲、執着心。醜い想いが次々と顔を出す。
    「そうですね。私は七海さんが好きです」
    「えぇ」
    「だから、独り占めしたいし、私だけ特別だとわからせて欲しいです」
    「えぇ。いいですよ。いくらでも」
    「離してあげませんよ?」
    「私も離しませんよ。離れる時は死ぬ時です」
    「ふふ。はい」
    私の返事を聞いて、七海さんは私を自分の膝の上に乗せ、唇を重ねる。それは先程よりも深くて熱い口付け。その熱が二人の体を少しずつ火照らせる。
    「愛してる」
    「私もです」
    「もう離さない。覚悟しろ」
    「はい」
    彼の翠の瞳に熱がやどり、まるで私を食べるように唇を貪る。その先はもう何も考えられない。ただ彼の焦げ付くような愛を受け止め続けるだけだった。
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    うすきみ

    DONE呪詛ミン×非術師女夢主
    曖昧な関係を続けていると思っていた夢主のお話
    関係に名がつけば 私には微妙な関係の男性がいる。セフレと言うには甘過ぎて、彼氏と言うには確信の無い関係だ。

     彼と出会ったのはたまに行くバーだった。その日は厄日かと思う位ついてなくて、ただでさえ落ち込んでいるというなか、トドメの様にクソ上司に残業を押し付けられた。何とか終電前には終わったけれど、そのまま帰る気にもなれずそのバーに寄った。空腹に構わず強い酒を煽っていると低く良い声が声を掛けてきた。振り向くとそこには大層なイケメンが立っていた。
     酔っていたし何の話をしたかは良く覚えてないけれど、彼が私の隣に座って琥珀色の液体を水の様に飲んでいたのは覚えている。会話をしながら飲んでいるうちに、自然な流れで手を握られ、耳元で何かを囁かれ、私はよく分からずにそれに頷き、肩を抱かれて店を出た。そのまま何処かの綺麗なホテルで体を重ねて、気づいたら朝だった。しかし、何をしたか、どんな風にしたかを薄ら覚えている辺りが恥ずかしい。いっそ記憶を無くしていればどんなに良かったかと思うほど、昨夜の私は乱れに乱れていた。言い訳をさせてもらえば、酒と疲れのせいだ。
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