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    うすきみ

    @otaku_noname_1

    七海建人の沼にハマっております
    七海×夢主中心に書いてます

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    うすきみ

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    重い同期夢主×重い七海
    激重感情の隠し合いとぶつけ合い

    重い男と重い女私は同期の七海建人が好きだ。友愛とかそんなレベルではなく、どんな彼も受け入れられる程心底愛している。だけど「彼が幸せなら私も幸せ」みたいな純愛ではない。七海の隣は私の場所であって欲しいし、七海には私だけを見て欲しいし、私だけの七海がいい、という激重感情である。とは言うものの私達は付き合っている訳では無い。私と彼の関係はあくまで同期だ。同期としてもう十年は経つだろうか。そもそも彼に一目惚れをしたのは高専の入学式。その見た目から入った恋は、彼の優しい所、真面目な所、実は口が悪い所、素直じゃない所などなど、彼を知る度に重さを増していき、それは大人になっても変わることは無く、寧ろ歳を重ねる事に想いは拗れてしまっている。それを今更本人に伝えようなんてさらさら思っていないが、彼の色恋沙汰の噂を聞けば腹が立ってしまうのは毎度の事で。このどうしようも無い激重感情をどう消化したらいいのか、最近では自分でも分からなくなっていた。

    ***

    私は同期の○○が好きだ。いや、もう愛している。
    彼女に恋をしたのは高専時代。きっかけはなんだったか。気づけば一日中彼女の事を考えていたし、灰原と話す彼女を見るだけで嫉妬した。『好き』なんて可愛い感情では片付けられないし、『愛してる』では軽すぎる。言葉に出来ないほど彼女に焦がれている。それはいつしか執着へと変わり、拗れた気持ちは重い感情へと至る。彼女が誰かと話していれば胸がチリチリと痛み、この腕の中に閉じ込めてしまいたいと思う。彼女が誰かに笑顔を向ければ、その相手を呪いたくなる。彼女の全ての感情が私だけに向けばいいのに。この拗れに拗れた想いの行き着く先は、果たしてあるのだろうか……。答えのない問答を一人繰り返している毎日だ。

    ***

    深夜の待機室。紙のめくれる音とスマホをタップする音だけが響く。七海と○○の二人での待機。暫く前まではもう数人いたのだが、皆緊急任務で駆り出されていった。沈黙が支配するこの部屋で、先に言葉を発したのは○○だった。
    「そういえば」
    「はい」
    「また告白されたらしいじゃん?五条さんが騒いでたよ」
    「またあの人は……」
    七海は面白可笑しく言いふらしてるであろう先輩を思い、怒りと呆れの混じるため息を着く。
    「で、付き合うの?結構可愛い子だって聞いたけど」
    「丁重にお断りしましたよ」
    「あら、勿体ない」
    茶化すように言った彼女を一瞥すると、七海は小説に視線を戻しながら言う。
    「そう言う貴女も新人の補助監督に言い寄られてるらしいじゃないですか」
    「あぁ……まぁ」
    歯切れ悪く答える彼女に七海の眉間に皺が寄る。彼は読んでいる小説に栞を挟み、静かにテーブルに置いた。
    「……付き合うんですか」
    「どうかな……」
    「考える余地はあるということですか?」
    「うーん……」
    「どうせまたすぐ別れますよ?」
    「まぁ……」
    「やめておきなさい」
    「……何か今日大分絡んでくるね。なに?何かあったの?」
    いつもより口数の多い七海を不思議に思い、彼女はスマホから彼へと視線を移して聞いた。しかし七海は真っ直ぐ彼女を見つめたまま何も答えない。
    「なに?何かあるなら言ってよ。言ってくれないと私わかんないから」
    彼女の言葉に七海は深く息を吐き口を開いた。
    「貴女に恋人が出来るのが面白くない」
    「え?何?私に先越されたくないって事?」
    「違います。私以外の男と付き合うのが気に食わないという事です」
    「…………………………はぃ?」
    彼女は七海の言葉の意味が理解できない。それもそのはずだ。まさか彼が自分に想いを寄せているなど微塵も思っていない。彼女は自分だけが重い感情を持っていると思っているのだから。
    「正直、貴女が他の男と話してるだけでも胸糞悪いんですよ。こっちは貴女を独占したくて仕方ないのに私には可愛く笑いかける事すらしない」
    「そ、それは七海だってそうでしょ。私には他の子みたいに笑いかけたりしないじゃない」
    「出来るわけないでしょう。貴女の前では感情のコントロールが出来ないんです。笑ったりなんかしたら気持ちがバレてしまう」
    「……は?何それ……」
    彼女は自嘲するように笑いながら言った。
    「こっちだってね、他の女がベタベタ七海に触ってるの見てると胸糞悪いのよ。私だけの七海であってほしいのに私には指一本触れないじゃない」
    「触れたら離せなくなる」
    「離せなくていいよ。それに、七海の前で今更可愛く笑えるわけないでしょ。七海の事好きすぎてニヤけるの抑えるだけで精一杯だったんだから。可愛く笑ったら好きなのダダ漏れてすぐバレちゃうよ」
    七海もまた、彼女が自分に好意があるなどと思っていなかった。半ばヤケクソに近い形で始めてしまった無様な告白が、こんな事になろうとは。状況を理解した七海は頬が緩むのを止められなかった。
    「何で笑ってんのよ」
    「いえ。随分遠回りをしていたんだなと」
    「仕方ないでしょ!こんな独占欲の塊みたいな重い女発言、そうそうできるわけないんだから」
    「それはお互い様です。私だって相当重い男ですよ。貴女を閉じ込めたくて仕方ないんですから」
    七海は微笑みながら立ち上がり、彼女の隣へと腰を下ろす。
    「触れても、いいですか」
    「……今更聞く?」
    恥ずかしそうに俯く彼女の頬を優しく撫でると、彼女は顔を上げ七海の翡翠色の瞳を真っ直ぐに見つめた。
    「七海、愛してる」
    「私も愛してます」
    そのまま自然と二人の唇が重なる。角度を変え何度もお互いを確かめるように口づける。二人はそれまでの遠回りを埋めるように微笑み合いながら愛を伝えあったのだった。
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    うすきみ

    DONE眼鏡をかけ始めた後輩夢主と見惚れちゃう七海のお話

    SpecialThanks! 蒼月様
    見惚れてました「それ、どうしたんですか?」
    次の任務の為に待機室で待っていると、同行する予定だった七海さんがやって来て、開口一番にそう言った。
    「それ、とは?」
    「眼鏡ですよ」
    私が聞くと、彼は私を見つめたまま言う。
    「あぁ。これですか。先日の健康診断で引っかかりまして。確かに見えづらいなとは思っていたので、昨日の休みに買ってきました」
    「……そうですか」
    そう言いながら、七海さんはサングラスをカチャリと直す。そんなに変だったかな?
    「変ですか?」
    私が聞くと、彼は「いえ」と一言だけ言い、待機室を出ていく。私は不思議に思いつつも読んでいた本をしまって、彼の後に続いた。
    七海さんは私の二つ上の先輩で、学生時代は余り接点は無かった。私が卒業して呪術師として任務にあたるようになってからも、相性のせいか余りアサインされることも無かった。だがここ数年、私が一級に上がってから特級任務や潜入任務などでアサインされる事が増え、食事に誘われたりする事も増えた気がする。高専でも人気御三家だし(残りは言わずもがな五条さんと夏油さんだ)大人で素敵だと思うけど、いまいち掴みきれないところがあって(表情変わらないし)私的にはあくまで『先輩』だ。
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