狼とチーター(大筋)猫の獣人が大好きで大好きで構いすぎてはフられてしまう狼の獣人くん(攻め)
といってもこの男、無駄にスタイルと見た目がいいので恋人が尽きたことはなかった。
しかし、それも長くは続かない。
猫の恋人を取っ替え引っ替えしていると知らずに悪評が立ち、ついに猫の獣人達から一切相手されなくなった。
「死にたい」
「そんな猫猫猫って、別に猫にこだわる必要もないだろ?」
「いいや!俺は猫がいいんだ!あのお日様の匂いとふわふわの毛並み!警戒心強いのに俺だけにゴロゴロ鳴らす喉の音っ!あと発情期はめっちゃ甘えん坊で」
「ストップ、発情期は誰でもそんなモンだろ。相変わらず拗らせてんな」
呆れているのは狼の幼馴染で、チーターの獣人。今日は狼くんの家で宅飲みをしていた。
「はぁ…つらい。なぁちょっとでいいから俺に甘えてくんない?」
「おっと、ついに猫科ならなんでもよくなったのか?俺は雄で小柄じゃないし可愛くもないだろ」
「まぁ可愛くはねぇけどどっちかっていうと美人だろ」
「……は?」
「確かに背はある方で華奢じゃないけど俺よりは小さいし…あでっ」
「飲み過ぎだ。馬鹿ヤロウ」
「猫ちゃんはそんな凶暴じゃない」
重ねてタイプじゃないとは、まぁまぁ失礼な幼馴染だ。
「あ。馬刺し、流水解凍で放置したままになってるわ。待ってて」
「ついでにビールもヨロ」
「はいよ」
台所に消えていく狼くんと、その見えない死角のところでムスッと口を尖らせるチーターくん。
「チーターだって、大きな猫みたいなもんだろ…」
狼は見る目がない。
ずっとずっと長い間そばにいるのに
何度か喉を鳴らしてるのに
その馬刺しだって、俺の大好物と知って無意識に用意しているくせに
「ん?なんか言った?」
「鈍感って言った」
「え、突然の悪口?酷くね?」
(酷いのはお前だろ、バーカ)
「なぁちょっと撫でていいか?」
「触ったら噛むからな」
「怖っ」
無類の猫ちゃん大好きな鈍感狼攻め🐺
vs
そんな攻めに長い間片想いしてるチーター受け🐆
ファイ!!
補足
攻めの猫ちゃん好きは兄弟のように一緒に育ったチーターくんが起因してます☺️
さらに付き合ってる子達にも無自覚に「これチーターくんが好きだから〜」とか言ってしまい、そのうち「彼が好きなのはわたしじゃない」と察されて捨てられた。(自業自得)
溺愛型なのに本命に気付いてないダメな男…
付き合って以降、「猫ちゃん猫ちゃん!」の悪癖が落ち着いた攻めは猫の獣人達にどちゃくそモテるようになる。
「?」
目撃しても表立って文句は言わずに尻尾をタンタンして怒のオーラを撒き散らすチーターくん
その一方、
(は?アイツ、またなんで露出高い服着てんだよ!おい!その熊誰!?)
改めてチーターくんがモテる。さらに最近不思議な色気があることに気づいてソワソワしている攻め。
「ちょっとゴメン。俺の恋人になんか用事?」
「!」
大好きな猫ちゃん達を押しのけてやってきた攻めに驚くチーターくんと、ジッと狼に凄まれ熊はささっと場を離れた。
「…彼奴ら、良かったのか?」
アメショにアビシニアン、ペルシャ。
みんなが攻めを見ている。
「猫ちゃんに囲まれるのは嬉しいけど、恋人ほっとくワケないよ」
「ハッ?あんな獣程度俺だけでどうにかできる」
「それでも俺が嫌なんだよ」
「お前… 巣に帰ったら俺を抱けよ。分からせてやる」
それは俺の台詞じゃ!?と笑う攻め
終