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    田舎🍌

    @ohagiii6262

    創作BLが主な酒カス

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    田舎🍌

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    ツイノベもどきで書いた獣人BL
    白熊の王様α×ネザーランドドワーフのΩくん。
    ほのぼの(改稿済み)

    はじまりぷわぷわこんまい、ネザーランドドワーフのΩくん。
    『君は僕らの宝物だよ』『大好きよ』
    裕福な家ではなくても両親にたくさんの愛情を注がれて平和に育った。しかし、16歳になると希少なΩはお城に呼ばれる。王族や貴族の妻か愛人として囲われるため。

    そして、主人が決まれば両親とは二度と会えない。

    泣いて嫌がったけれど、Ωくんが抵抗すれば両親がいわれのない罪で罰を受けてしまう。
    お城の騎士に連れられるがまま、お城の長くて豪華な床を歩く。
    気分はまるで処刑場に連れて行かれる囚人みたいだった。

    (お父さん、おかぁさん…)

    「うまく取り入れれば番として大事にしてもらえる」
    うまく取り入れれば番として大事にしてもらえる
    耳を落としてぽろぽろ啜り泣くΩくんを騎士は優しい声で慰めたが、問題はなにも解決してない。
    これが法律で決まっていることであっても、知らない誰かと強制的な番いになるのも、両親に会えないのも嫌だ。

    「玉座はもう目の前だ、これで顔を拭きなさい」
    「ぐすっ、…」

    差し出されたハンカチに手を伸ばした瞬間、
    ーーー 目の前にいた騎士が吹っ飛んだ。


    「えっ」

    一体、何が起こった?

    Ωくんの目に映ったのは、ぶわっと靡く銀色の刺繍の施された青いマント。そして、殴り飛ばした騎士を憎々しげに睨む銀色の……

    「お前は」

    そして怒りに染まった獰猛な瞳がΩくんを捕らえた時、恐怖のあまりΩくんは気絶した。



    * * *


    「王よ!ここは北の国ではありません!他国の騎士を殴り飛ばすとは何事です!」
    「それがなんだ?この国が北の国にした事に比べればまだ生ぬるいぞ」

    ……唸る二つの声にΩくんは目を覚ました。
    が、

    「ひぇっ…」
    「あぁよかった、目が覚めたのですね」
    「………」

    国章が此処、"黄金の国"とは違う。
    それに一昨日、歓迎のパレードを街中で見ていた、だから知っている。
    自分の目の前にいるのは、北極の王様だ。その隣にいるのは、王の側仕えか役職者であろう白狐。
    ふたりとも肉食動物らしく背は高く、それに見合った体格だ。

    (ど、どうしよう… オレ、なにか、しちゃったかな…)

    彼らの風貌や雰囲気はどこかピリピリしていて、思わず冷たく恐ろしいとΩくんは縮こまるが当然だ。

    雪と氷に覆われた"北の国"。
    長年北の国と黄金の国は領域を巡って戦争を繰り返していた。勝者は北の国で、終戦したのは約20年前の事だ。
    戦時中の北の国は、黄金の国の捕虜達に容赦はしなかったと聞いている。はじめて聞いた日は恐怖で夜も眠れないほどに……。
    その話を思い出したΩくんは、なぜ自分がこの部屋にいるのか聞きたいのに、口が震えて動かない…。

    「王、あまり彼を睨んではいけません。彼が怯えていますよ」
    「睨んでなどいない。こんな小さな生き物がいる事に驚いている」
    「確かに北の国にはいませんね。これほど可愛いΩさんなんて、すぐ食べられてしまいます」
    「ぴっ!!」
    「……やめろ白狐。お前の言い方の方がよほど怖いぞ」
    「おっと失礼。すみません、小さな兎のΩさん。さっそくですが貴方様を、是非我が国にお招きしたいのです」

    ?お、お招き…?
    そっと膝を折る白狐に首を捻るΩくん。

    「いま我が北の国には番のいないΩがいません。ですので他国にいるΩさんに声をかけているのですよ。勿論貴方にも高待遇をお約束致します」
    「…っ」
    「安心してください、無理やり攫ったりしませんよ。出来れば同意を頂きたと願っていますがね」

    チラッとΩくんを見る白狐の目は細く微笑んでいた

    (怖い!!無理、無理…)
    しかも相手は北の国で獰猛な連中だ。
    一体どうして……こんな話が突然舞い込んできたのか……。Ωくんには何も分からない。

    (オレが、Ωだから…?)

    北の国に行けば、きっと子供を産む道具にされてしまうんだ。
    恐怖に凍りついたまま、耳も手も震えて動かない… 帰りたい。家に帰りたいっ。

    「白狐、帰るぞ」
    「では、すぐにΩ様の支度を」
    「いい。そこのΩは置いていく」
    「はい!?」

    ちょっとなに言ってるんですか!?と目を丸くして主君に意見する家臣。
    しかし王は考えを変えない。Ωの顔を見ることもしないで……。

    「我が国ではΩを尊重しないαなど、例え王族でも重罪だ。これ以上この国にも用事はない」

    堂々とした声は、有無を言わせない。
    ピリッとした怒りと、何故だか少し…もの悲しそうな感情を含んだ声。
    北極の王の態度に、気がつくとΩの気持ちは軽くなっていた。

    「あの…、っ、」
    「なんだ」
    「こ、高待遇っ… それは、オレの家族、りょ、両親にっ」

    "両親にも適用されますか?"
    もしもそうなら、オレはどうなっても構わない。

    きっと両親は心の底から悲しみに暮れている。オレは親孝行の一つも満足にしてあげられなかった。

    でも、今なら… この人について行くことで、両親を楽にできるなら
    どうせ黄金の国にいても変わらない運命ならば…

    「おれ、こども、たくさん産みますっ!言うことなんでも聞く、のでっ」
    「……」

    しばしの沈黙と、すすり泣くΩくんの様子。

    「白狐。聞いた通りだ」
    「畏まりました。今すぐ車の用意を致します」
    深いお辞儀と共に去る白狐と、王の足元に縋りついて目尻を真っ赤にしているΩ

    「もう泣くな」
    「っ」

    小さな兎のΩを、そっと抱き上げて胸の中に閉じ込める。ただ泣くな、と願いを込めて

    それはまるで子守唄だ。

    『もう泣かないで私たちの宝物』
    『そんなに泣いてしまうと木の実と間違えて小鳥が食べに… て、この子守唄は嫌だね』
    『そんなに泣いてしまうと木が枯れてしまって小鳥が歌えなくなるわ』
    『泣かないで僕たちの宝物』

    不思議だ。泣くなと、泣かないでの声が重なった気がする

    こうして故郷を離れて遠く遠く離れた北の国へとやってきたΩくん。

    「Ω様、寒くはありませんか?」
    「ちょ、ちょっと…風が」
    「やはり寒暖差がありすぎますよね。黄金の国では十分な防寒具が買えませんでしたから」
    「白狐。火灰石をもっと用意しろ」
    「だ、大丈夫です!寒くはありません、本当に」


    火の魔石に囲まれた馬車の中はあたたかい。それにΩを絶対に凍えさせないと、北極の王に包まれて熱いくらいだった。

    「王よ、あまりニヤニヤしないでください。私が居た堪れません」
    「気にするな、俺は満足している。これが兎族の体温と効果か」
    「王様熱くないですか?」
    「私の熱が上がりそうです」

    「た、たいへんっ!白狐様、風邪…?こっちで皆んなで一緒に丸まって、」

    寒い日は家族で冬はぬくぬくと身を寄せて過ごす。
    それが一番幸せな過ごし方だった。僅かな備蓄しかなかったけれど、
    春先にとてもお腹が空いててひもじかったけど… 幸せで

    「大丈夫です。私には家で待ってる番がいるので」

    「あ、…ご、ごめんなさい」

    そうか。彼らは… 北の国だ、違うのだった。
    一人で冬を越せるし強い人達だ。
    こうしてΩくんを抱きしめている王様も外の…… 交わした言葉は少ないけど、優しくて、一人でも平気な人達なのだ。

    「貴様が来ても断るがな」
    「でしょうね」

    一人でも、平気…?

    こうして北の国にやってきた兎のΩ受けくん。

    しかしαとのお見合いもアレコレは一切なく、とても大事にされるので「???」

    「かわいいわ!」
    「なんて愛くるしいっ!スイートニンジンのスープを一生懸命食べてる姿が一番好き、あんな小さな口で頬張って」
    「ぷわぷわ!あぁ、我が国にはない至宝」

    お世話したい!毎秒お世話しましょう!とメイドさんが押し寄せてくるたびに脱兎の如く逃げ出して、王様の部屋の隅でじっとしてる。

    「……王よ、あれは?」
    「ただの置物だ、見るな話しかけるな」
    「差し入れしたいのですが」
    「お前もか」

    カロリーオーバーだ。





    補足

    そんな幸せオメガバ。

    兎のΩくんは王様の運命の番いですよ。
    でもあまりにも🐇くんが小さすぎて、成人してると思われてないです。
    🐻‍❄️=北極熊です🧊
    お付き合いありがとうございまし



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