遅すぎる告白(追記)
小説風に書いたけど寝起きに寝ぼけて書いたから文章ぐちゃぐちゃ。脳内補完で校正してください。
シリルを飲み込んだ白竜の姿が白い光の粒子へと変わり、それが小さく圧縮するかのように小さくなったかと思うと、瞬きひとつの時間でその姿はシリルへと変わった。
目を閉じてしばらくその場に立ったままだったシリルの姿をした白竜は、ゆっくりとその目を開け辺りを確かめるように目を彷徨わせる。そして、その場に膝から崩れ落ちたモニカを金色の瞳で見つめ、時折シリルがするような柔らかな笑みをモニカに向けた。
「私はシリルにこの命を助けられた。これでまたピケと共に生きていける。だから、しばらくの間人間のフリをしながら人間の都合に合わせることができる」
サクサクの足元の雪を踏み締めながらモニカの元に歩み寄った白竜が、モニカを助け起こし、そのまま抱き込むように強い力で抱き締めた。シリルとは少し違う、力強く少し粗暴抱き締め方だった。
「シリルは、モニカが好きだった。私がピケを思う気持ちとは少し違う。これがきっと、人間の恋というものなのだろう」
愛の告白をされたと言うのに、心臓がだからとすることはなかった。冷たく凍った絶望に、身体の奥底から自分が凍りつくような錯覚に陥る。
「モニカ、愛してる」
シリルはモニカを離し、両肩に手を置いて柔らかな笑みでモニカを覗き込んだ。その表情は、ダンスパーティでモニカに踊り方を指南してくれた時のシリルに似ていた。
「あなたの側であなたを愛することを、どうか許しては頂けませんか? レディ?」
「や、やめて……その顔で……」
シリル様の顔で、シリル様の心を勝手に語らないで。シリル様のことを理解したかのような口調で、シリル様の声で……
モニカは顔を真っ青にして、ガタガタと身体を震わせ、またもその場に膝から崩れ落ちそうになる。しかしその身体を白竜が抱きとめる。モニカの涙で滲む視界の中で、シリルの顔をした白竜が心配そうに顔を覗き込んでいる。
「……シリル様を返して」
「返す……だと?」
白竜の眉がキリリと吊り上がり、シリルらしい表情になった。
「何を言っている、ノートン会計」
白竜はモニカを抱きとめたまま右手を自分の胸の上にそっと置いた。
「私なら、ここにいるではないか」
「……は、ははっ! その冗談、笑えなさすぎるぜ」
「冗談……? ラウル・ローズバーグ。貴様が知る私は、冗談を言うような人間だったとでも言うのか?」
ラウルは首を横に振り、また改めてシリルを見つめて表情を崩した。初代様譲りのその美貌が苦悶に歪み、目からポロポロと涙が流れ出る。
「答えろ、ラウル・ローズバーグッ!」
「やめろぉ……やめてくれ……」
ラウルは頭を抱えてうずくまると、大きな声をあげてその場で泣き崩れた。