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    AkamiSW

    @AkamiSW

    シリル様至上主義でシリモニ❄️🐿推しです。シリモニ❄️🐿メインで思い付いたものなんでも咀嚼するタイプの超雑食です。
    ネタ帳代わりにメモ書き連投してます。
    特典SS、小冊子、その他SSフルコンしてます。そっちからネタ引っ張ってくることもあるのでネタバレ気にする方ご注意ください。

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    AkamiSW

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    生徒会一同が謎のマイナースポーツの数々に困惑する謎会議。なおオチがBLモドキ。

    競技大会の検討に関する生徒会役員会議の議事録 ここ、セレンディア学園の生徒会室にて、生徒会役員一同が揃う中、全員の顔をゆっくりと見渡し、生徒会長フェリクス・アーク・リディルは告げた。
    「では、諸君。生徒会役員会議をはじめよう。シリル、先程の資料を」
    「はいっ! 殿下!」
     シリルはスッと立ち上がると背中に腕を回し、ツンと顎を持ち上げ、右手に持った資料を読み上げ始めた。
    「院からの提案書となります。
    『近年、院では新しい文化と生徒の健全な育成の為、国外からの留学生の受け入れ及び、国外の文化に関する授業への取り込みや積極的なクラブ活動支援を行ってきました。
     しかし、我が校だけの閉じた文化となっては、リディル王国内への還元が難しいのが現状です。
     そこで、我が校と魔術師養成機関ミネルヴァ、セレンディア学園の三校合同で交流試合といった形で、我が校で採用されている競技に触れる機会を頂戴したく、この度はご連絡いたしました。
     つきましては、以下の競技への参加をご検討ください』
     とのことです。競技としては、七案ほど記載されております」
     フェリクスは何度か頷くと「シリル、ありがとう」と言い、シリルはそれに対して嬉しそうに微笑み、静かに着席をした。
    「院で実際に活動しているクラブに関して、説明資料も送られている。各自手元の資料を見てほしい。ここにある競技について、我が校でも取り組むことができるか検討してほしいとのことだ」
     フェリクスにそう促され、手元の資料に目を落とした各人は、その難解な競技の数々に目を丸くした。

    ①院の校舎を押してアスカルド大図書館に近付けるの会
     ブリジット「……殿下、意味が分かりませんわ」
     フェリクス「うん、私も」
     ニール「ええと……アスカルド大図書館が近いと、便利ってこと……ですかね……?」
     シリル「メイウッド庶務。それは分かるが、そういうことではない。校舎を押すことの是非が理解できんという話で……」
     モニカ「に、人間が押して建物を動かすには……その前に院の校舎の高さと……施工時の工法も分かれば計算は……」
     エリオット「子リス、そういう話でもないからな?」

    ②エクストリームアイロニング
     ニール「……って、なんでしょうか?」
     エリオット「えーっと、なになに……『山岳や岩場などの足元が悪い条件下で、いかに格好良くアイロンがけができるかを競う競技』……? 殿下、これは正気か?」
     フェリクス「うーん、院では三名で活動しているという話だね」
     ブリジット「そもそもアイロンがけの方法なんて、我が校の生徒が分かるとは思えませんわ」
     シリル「グレイアム書記。鉄製のアイロンに熱した炭を入れるのだ。資料によれば、その炭おこしも現地でやるとのことだが……」
     ブリジット「……そんなことを知りたいわけではなくってよ」
     モニカ「わわわ、わたし気になっていることが……」
     フェリクス「どうしたんだい、モニカ」
     モニカ「こ、これって……どうやって交流試合するん……でしょうか……?」
     エリオット「あー……」

    ③カバディ
     シリル「『競技中はずっとカバディと言い続け、それは一息でなくてはならない。例えるなら、鬼ごっこに近い競技』。殿下、このカバディという言葉の意味をご存知ありませんか?」
     フェリクス「シリル、どうやら裏面に書いてあるようだよ」
     シリル「……『ワッショイ』」
     モニカ「ワワ、ワッショイ……?」
     エリオット「……子リス、ちょっとやってみてくれ」
     モニカ「ふえぇ! わわ、わたしですかぁ⁉︎」
     エリオット「メイウッド庶務は子リスの相手をやってくれ」
     ニール「ええっ! 何故ノートン嬢とボクなんですか⁉︎」
     モニカ「カッ……カバディカバディカバディ……スゥー」
     エリオット「あ、子リス失格」
     ニール「カバディカバディカバディカバディカバディ……」
     シリル「メイウッド庶務、もう良い。無理をするな」
     ニール「カバディカバディカバデカバディカバディカバディィ……」
     フェリクス「……ニール? 大丈夫かい?」

    ④ワイフキャリング
     ニール「『決められたコースの中を、配偶者の女性を背負って走り抜ける速さを競う競技』?」
     ブリジット「却下」
     エリオット「ブ、ブリジット嬢、結論が早いな」
     ブリジット「論外ですわ。次に行きましょう」
     シリル「殿下、そもそも配偶者……仮に婚約者も可としても、女子生徒にこれを頼むのは難しいのではと思いますが」
     エリオット「シリル、だったらおまえが奥様をすればいい」
     シリル「貴ッ様ァ‼︎」ガタンッ

    ⑤アルティメットテーザーボール
     ニール「『大きなボールを相手ゴールに入れる競技』? 今までと違って、普通ですね……」
     エリオット「メイウッド庶務、よく読むんだ。この競技では相手の妨害に、雷魔法の使用が許可されている。つまり、相手を感電させてボールを奪って良いということだ」
     フェリクス「私は参加できないね。魔法は使えないから」
     シリル「でっ殿下ッ! そもそもこんな危険な競技に、殿下を参加させるわけにはッ‼︎」
     モニカ「…‥一人一人に的を絞らないで、広範囲を雷魔法で攻撃をしたら、点が入れ放題になるんじゃないでしょうか?」
     エリオット「ノートン嬢って、時々合理的すぎて恐ろしい発想に行き着くよな」

    ⑥ セパボラアピ
     モニカ「『セパボラアピ』……?」
     シリル「『裸足で火が付いたボールを蹴り合い、ゴールに球を入れる競技』……?」
     エリオット「拷問の間違いなんじゃないのか?」
     ニール「火をつける意味はなんなんでしょうか?」
     シリル「どちらにせよ、こんな危険な競技、我が校の生徒……殿下にはさせるわけにはいかんッ!」
     フェリクス「……私は別に、少しならやってみてもかまわないよ」
     シリル「ででっ殿下ッ⁉︎」

    ⑦ クィディッチ
     モニカ「……世界観、合ってますか?」
     エリオット「待て、ノートン嬢。それはメタ発言だ」
     ニール「何故、箒を跨いで走っているんでしょうか?」
     ブリジット「……魔術師だけの競技にならないように、という配慮のようですわね」
     シリル「ならば、そもそも箒を跨がずとも成立するのでは?」
     モニカ「シ、シリル様。それだと『クィディッチ』にはならないので……」
     エリオット「ノートン嬢、ややこしくなるからそれ以上はやめてくれ」


     かくして議論は混迷を極めた。が、約三十分の議論の後、生徒会一同は院に対する回答として、エリオット書記直筆による次の文書を送付することとなった。

     ーーセレンディア学園は伝統と品格を重んじる校風であるため、誠に残念ながら、貴校の新しい取り組みには協力することが出来ません。貴校のますますのご発展をお祈り申し上げますーー

     生徒会長、フェリクス・アーク・リディルは競技の一覧を眺め、少しだけ眉尻を下げた。それに気付いた生徒会副会長、シリル・アシュリーが心配そうな顔で尋ねる。
    「殿下。いかがなさいましたか」
    「……いや、少し残念だなと思ってね」
    「残念、ですか」
     これ、と言ってフェリクスが指差した先にあるのは、ワイフキャリングの概要であった。
    「私が参加するわけにはいかないけれど、面白そうではあったからね」
    「……で、殿下が運ぶ誰かは、その……将来の……」
     シリルが視線を右に左と彷徨わせるのを見て、フェリクスはクスクスと笑った。フェリクスは単純に、夜遊び仲間の彼女を抱っこして運んだら、一体どんな反応をするのだろうかと考えていただけだったのだ。おそらく、彼女は顔を真っ青にして「畏れ多いです!」と私の腕から逃れようとするのだろう。
    「だから、殿下の相手はシリルがすればいい。それならば何も気にすることもないだろ?」
     エリオットの言葉に、シリルはまたガタンと椅子を鳴らして立ち上がった。
    「殿下に対して無礼なッ!」
    「……ああ、たしかに」
    「殿下⁉︎」
     ギョッと目を剥いたシリルを手招きしたフェリクスは、青ざめつつも近付いてきたシリルを、ひょいと横抱きにして「ああ」と納得したような声を出す。
    「これで走り回る競技は、腕も足も疲れそうだ。でも、シリルならば汗をかいても涼しくて助かりそうだね」
    「でででっでんっ殿下……」

     ガタン、バサバサ

     その時、廊下から大きな音がした。
     三人が顔を上げてそちらを見た時には、既に見覚えのある女子生徒が顔を覆って廊下を走り去る後ろ姿になっていた。さらに廊下の先の方から声が聞こえてくる。
    「私見ちゃった! フェリクス殿下と、シリル・アシュリー様がっ!」

     サーッと青ざめる三人をよそに、瞬く間に噂は知れ渡り、数日の間シリルは今まで感じたことのないタイプの好奇の視線に晒され続け、ブリジットは噂好きの令嬢達に「戯れあっていただけのようね」と何遍も言う羽目になりうんざりし、エリオットは噂を聞く度に腹を抱えてヒィヒィ笑っていたのであった。
     なお、モニカとニールは「殿下とシリル様はとっても仲良しですし、シリル様は殿下をとっても尊敬しているので……」と噂に拍車をかけていた。
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