そもそもとして京極堂シリーズがすきで、あの昭和初期の日本中が躍起になってでっかくなるぞ！！てガツガツして、人権も軽く見られてる闇の側面もあるけど、ジャズの流れる喫茶店でソーダ水を喫して、路地裏に入れば怪人二十面相が居そうな雰囲気が好きなんです
なのでゲ謎こんなん絶対好きじゃん！！！て思ったけど…ま〜〜〜好きでした はい

水木…まずビジュのだぼっとした背広(スーツでなく背広と呼びたい)がいいですねぇ
変にシュッとしてない、昭和の男…私昭和生まれなので、周りが煙草スパスパ吸ってた時代見たことあるんだよなぁ
父も気にせず家の中で吸ってたし背広は煙草の匂いがしましたね 父の匂い＝煙草の匂いって感じある
横顔で耳が欠損してることに気付きました
戦地帰りなのでよくうなされる…かわいそう…トラウマが重いですよね…。
祖父が戦死してるのですが、「最期は立派に死にました」て手紙を戦後部下が持ってきた、と祖母に見せてもらったことがあります。水木が生きて帰って来たのもだいぶ奇跡ですよね…戦争はだめ ほんとに
私いなかったかも知れないからな真剣に

そんな過酷な戦地帰りなのに、時貞の娘や孫娘を孕ます行いに嘔吐する倫理観が水木偉いよぉ〜！！本当に根が善なんだな…と思いました
のし上がりたいって泥臭く言ってるのに根が善人で割り切れないところが人間〜って感じでとってもいいですね。ゲゲ郎と付き合ううち妖怪が見えるようになったのも、ピュアな部分あるからじゃないのかな…戦闘シーンでほぼ傍観してるのも、そりゃ人間だものびっくり妖怪大戦争に放り込まれたらそうなるわな！！頑張ってる！鼻血も鼻水も嘔吐も色んなもの垂れ流してて心配になりました お水飲んで

その中でもゲゲ郎助けに来たのは痺れましたね…銃！戦地帰り！「腹割って話そうや」のあたりはまだ打算があったと思いますが、酒を飲み交わした辺りからはもう友情が育まれていたんだなあ
着とけって渡されたちゃんちゃんこを、すぐ岩子さんに着せるところがいい男なんですよね優しいな…

墓場鬼太郎では墓から赤子鬼太郎が出て来てビビって取り落として、墓石にぶつけて鬼太郎の左目見えなくなったという話も聞きましたが 今回やたらと死ぬ人が左目えぐりだされたり「左目」が強調されてたのなんだったんだろな そこは分かりませんでした…片目で見てるくらいがちょうどいいから？片目で見てろ！ていうメッセージかな 沙代ちゃんの

寝巻きの浴衣に着替えたりそこそこサービスシーンが多かった いやサービスのつもりで描かれていたかは分かりませんが
ゲゲ郎の入浴シーンもあったしなーそれはいつもだけど…目玉だけなのと関俊ボイスの190くらいある白髪着流し牙あり男が同一人物なんてさぁ〜令和ってすごい

あと沙代ちゃんを喜ばせるための嘘かもしれないけど、独身男性が喫茶店でクリームソーダを喫するシチュエーションてなに？いつ？いつ食った？？ほんとに？

ゲゲ郎…関俊TUEEEEE
幾多のオタクの初恋を掻っ攫っていった土井半助の声帯ぞ！？？？良くないわけがない よかった
特にすっとぼけた感じが良かったです…
ただ、思ったより高い声でかわいいかわいい関俊でした。もっとブチギレて地獄の底から這ってくる感じで戦闘すると思ってたら、あくまで人間には手を出さなかった…。奥さんが人間に愛を持っていたからかな。奥さんにベタ惚れ可愛すぎました
というより人間同士が醜い感情で潰し合ってたからゲゲ郎が手を下さずとも…って感じでしたね。幽霊族なのに純粋さが眩しいほどで、そこが水木の根が善人なところと惹かれあったのだろうなと思いました。座敷牢で時ちゃん来た時水木と言い合ってたところ、「お為ごかし」ってなに？と思ったら「人のためと見せかけて、自分の利のために動くこと」だそうです。初めて聞いた。そんなのサッと語彙として出てくるゲゲ郎すごいね！？妻が人間の世界に溶け込んで暮らしていたから、妻に感化されて新聞とか本とかゲゲ郎も読んで覚えたのかな…素直でかわいいな…

ストーリーはえぐかったですが、あの時代ならあり得そうかな…というところも。
結局沙代ちゃんも時弥くんもジジイの子ってことだろうな 二人の目元のほくろが気になっていたのですが、兄弟に当たるってことの表現だったかも知れないですね。
時麿が精神的にヤバそうだったので、近親交配のアレで…？と思ったけど時貞が一代でのしあがったのなら己の母や姉や妹？と子は作らないか…女を侍らすって言ってたし。
孝三は時の字すら当てられないところを見るに、本当長男制度なんですね。不憫な孝三…「うわぁ〜〜」しか言ってないのに中井和哉でびっくりだよ孝三…時貞は天才科学者なのに近親交配で支障が出ること気にしなかったのか？事実時弥くん体弱いですしねえ。己の血が濃いほどよいとしていたのかな。

死体の描かれ方もえぐいし、冒頭の咳してた子供と親が実験台になっていて(しかも苦しむ子供の姿を見て親が悲鳴をあげているという…)悲惨すぎるところも多かったですね。今は表現がマイルドな中すごいなと思いました。

沙代ちゃんに関しても本当子供が犠牲になるのつらいですね…時代が進んで、父親が外から来た入婿なのもあり、あの山村でもそれなりに外の世界を見聞きして「ここから出たい」と自分の環境に疑問を持つことができたのに、叶わなかったのはつらい。
水木のことも信頼して想いを打ち明けたとは思うけど、恋愛感情だったのかはどうでしょうね…ただ誰かに連れ出して欲しかったのだろうな。
そのまま逃げれば自分だけ逃れられたのに、「あの方を助けに行くのですね」と協力を買って出るところ、あれでもう「自分は外へ逃げられない」と悟ったかも知れないですね。自分でケリをつけようと母親の元へ向かったかも…水木に己が祖父に汚されていたことを知られて絶望はしてたけど、どのみち周囲を壊したかったのだろうな。
沙代ちゃんから出た狂骨強すぎて、長田のオンッッが全然効かないのちょっと笑ってしまった
乙米さんが終始「長田！助けなさい！」だったのも酷くてよかった まあ乙米さんも被害者であり、違和感を持つのも許されない世界で生きて来たから娘である沙代ちゃんを守るとかそういう意識は生まれ得ないのですが…
酷い死に方でしたねえ

ゲゲ郎と水木二人で、幾千もの鳥居を駆け抜けていくところめちゃくちゃよかったです！！！やってやらあ！！！という昂まり、バディ最高だなぁ

ゲゲ郎の嫁さん可愛かったですねーー！目元涼やかな美人さん！ベリショなのが活動的で、はっきりサバサバした気性なのかなと想像させます。幽霊族なのでめちゃくちゃ強いのだろうけど、囚われて血を抜かれながらもその強さでお腹の子を守ってたところ、夫が助けに来てくれて「泣き虫ね」て笑うところすごい…強くも可憐な女性だな…！ブチギレゲゲ郎の独壇場めちゃ良かったです…龍賀家のテラスで戦ってた時もですけど、柱ぶち折ってぶん回すの気持ちいいですね。いけーーーっ！！て応援しちゃう

水木もフラフラしながら頑張ってた…絶対途中半分死んでたけど…(画面手前にずっと仮死状態で転がってて、なんでこの画面割？と思ったけど)
ゲゲ郎と酒飲んでるところでは「ずるい奴らが甘い汁啜ってるのが我慢ならん自分ものし上がる」だったので、金持ちになっていいもの食って贅沢して…という夢だったのが、ゲゲ郎と触れ合ううちにそう語る時貞を「つまんねぇやつだなあんた」と言えるほど考え方が変わったのかな。でも時ちゃんにいい世の中になるようにって語ってたから、元々水木がのしあがって実現したかった世界は優しい世界だったのかもしれない…うーーーんやはり善人すぎますね…

時貞の持ってた骸骨やたら頭長かったけど、太古の人間掘り出して使ってんのかな？貼り合わせですかね。
最終的に胎児鬼太郎の力で巨大狂骨が何とかなったの、鬼太郎強すぎるしご先祖様の寵愛一心に受けすぎですね…歴代一族でも最強なのだな鬼太郎は
原作読んでいないので妄想でものを言いますが、「鬼太郎」って名前水木がつけたのだとしたら「◯◯郎」って名前がずっと心に引っかかってたのかなぁなどと思います…だったらいいな。

最後死地へ向かうゲゲ郎は切ないですが、水木ごと世界を守りたいと、妻と息子以外に守りたいものが出来たんですねーーー泣いちゃうでしょ…

エンディングはホロリとしつつも、水木しげる先生タッチで「水木さんちのお隣に幽霊族夫婦が越してきた」をやられてちょっと笑ってしまいました
なんかこう…絶妙な増田こうすけ感がある…
「水木じゃないか〜！わしじゃよ〜！！」「ひ、人違いですーーーッ！！！」てことでしょ…
再訪したら「し、死んでるーーーッ」てことでしょ…ちょっと面白いじゃないですかあんなの
ビビりながらも埋めてあげる水木、本当に善人ですね！？？ほんとに何か心に残っていたのだな…
ちゃんちゃんこを嫁さんにあげたから心まで食われたはずなのに、それでも残っていて鬼太郎を抱きしめる…。ここから先目玉と水木のほっこり子育てエピソードが始まると思わなきゃやってられん切なさ！！！！

現代の舞台では水木の生死は不明ですが、死ぬまでになにかこう…夢の中ででもゲゲ郎としての親父さんと再会できていたらいいですよね…
お願い枕返し先生ーー！(だっけ？)(6期で夢の中で目玉おやじがイケメン化したやつ…)(録画消してしまったんだよな〜)

最後にカップリング的なことを申しますと、たぶん父水だけどがっつりえっちなもの見たいよりはゲゲ郎親子3人のおうちに水木おじさんがよく来てたくさん遊ぶみたいなの見たいかな 水木を妖怪横丁(いつ出来たんだろあれ)に招待したり…天狗の仕込んだ酒貰いに行ったりして欲しい
だがえっちなものを見たくないかと言われたら見たくないわけではない 水木が脇が甘すぎるんですよねーーーーゲゲ郎と鬼太郎で守ってあげてくれ…あんなん妖怪見えるようになったらホイホイ悪い妖怪に攫われてしまうぞい

取り留めない感想見ていただきありがとうございました！
降ってくる蝉の音、暑さに霞む砂利道、深い緑と泥濘む山道に入り込んだようで没入感すごい映画でした面白かった〜ゲゲろの戦闘シーン応援上映やりたいな
あと2人とも妖精か？という魂の綺麗さだったな〜