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    Rthathatha

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    Rthathatha

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    衢くん昏睡直後に年が変わってたので。この年はこんな年越しだったのかなぁ、なんていう妄想です。暗いけどある意味初心に帰りました。これにて書き納めです!

    今年1年ありがとうございました。寂衢プチも開催でき、本当によかったです。来年もいっぱい寂衢書くので、どうぞお付き合いくださいませ。来年もよろしくお願い致します!

    #寂衢
    silentQu
    #じゃくよつ

    H暦二年十二月三十一日「それでは神宮寺先生、よろしくお願いします」
    「わかりました」
     年末年始。夜勤の引き継ぎを終えて寂雷はミーティング室から出る。一般外来が休みのためか、いつもより静かな病院内を寂雷は歩いていく。救急対応や入院病棟の緊急コールさえなければ、この夜勤の時間は自由にしてもいいのだ。
     寂雷はある病室の前で止まると、そっと扉をあける。ガラガラと引き戸の音が廊下に響いた。
    「衢くん、来たよ」
     ピ、ピ……と規則正しく鳴る電子音に安心していいのか、寂雷にはわからなかった。そばに置いてある丸椅子にゆっくりと腰掛ける。するとゴーンと微かに鐘の音が聞こえてきた。
    「ここからでも除夜の鐘が聞こえるんですね。もうすぐ年が明けるようです」
     病室の窓からは車のライトやビルの明かりらしきものがチラチラと映っているが、人のざわめきのようなものは聞こえない。空間にはただ、衢の無機質な心音と鐘の音が広がるだけだった。
    「みんなで年越しをして、春になったら花見をして……なんて話をしていましたね」
     一郎と左馬刻はあまり乗り気ではなかったようだけど、と二人の顔を思い出して寂雷の顔がより翳る。
     飴村乱数に、衢について問いただしているあいだに彼らにも何かが始まって、そして終わっていた。溜まり場になっていた乱数の事務所に行くこともできず、気がつけばバラバラになってしまっていた。
    「ディビジョンラップバトルというものが始まるそうです」
     そっと、衢の手を撫でる。数週間、日の元に出ていない肌はより白くなっていた。
    「もしかしたらきみを救えるヒントが得られるかもしれない」
     ディビジョンラップバトルが中王区の主催である以上、彼女たちの掌の上だということはわかっている。しかし同時に、もうそこにしか手がかりがないだろうということも寂雷は感じていた。
    「それまで……待っていてください」
     包み込むようにして衢の手を握る。
     除夜の鐘の音が、またひとつゴーンと聞こえてきたのだった。
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    Rthathatha

    DONETwitter診断メーカー「こんな書き出しで書いてみて(https://shindanmaker.com/606128)」より、『佐藤あるの寂衢で「吐き出した息は白く、儚く消えていった。」から始まる小説はどうですか?』です!
    ☕️舞台受肉記念日&昨日自分の誕生日だったので誕生日のお話です。
    今日はきみの吐き出した息は白く、儚く消えていった。
    すっかり寒くなったなぁと衢は改めてマフラーを巻き直す。背中のランドセルの留め具がカチャカチャと揺れるのを聞きながら小学校の校門を出た。
    今日は、衢の十回目の誕生日だ。

    今日はきみの
    両親が亡くなって、寂雷と一緒に暮らし始めてから迎えるはじめての誕生日だった。ついに二桁の年齢である。大人の仲間入りをしたようで、どこか自分がそわそわとしているのを衢は感じていた。
    けれどおそらく今日もいつも通りの一日で終わるだろうな、と衢は確信していた。なぜなら今日が自分の誕生日であるということを特別、寂雷には伝えていないからだ。
    伝えていない理由は、単にそういう話にならなかったから。もうひとつ付け加えるなら、これ以上負担になりたくなかったからだ。伝えるということは、祝ってもらいたいということ。ただでさえ衢はまだ子どもで、忙しい寂雷のお世話になってばかりだ。誕生日だと伝えることで、寂雷の思考の邪魔をしたくなかった。
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