Twinkle,twinkle ちょっと冷えるかな、と上着の上から羽織っていた毛布をしっかりと衢は握った。野戦病院の周辺は明かりのひとつもついていない。新月なのか月も見当たらなかったが、それでも一面に広がる星空でほのかに照らされていた。
衢は出てきた扉のすぐ隣に土が付くのも気にせず座り込む。なんとなく寝付けなくて、風にあたりに起きてきたのだった。
ぼぉっと空を見上げる。強い明かりがないおかげで星がはっきりと輝いていた。
「衢くん」
「寂雷さん」
ここにいましたか、と少し慌てた様子の寂雷が衢の隣へとやってきた。
「探しましたよ……体、つらくないですか」
するり、と腰の辺りを撫でられる。夜風にあたって冷たくなった体に、寂雷の体温が心地いい。
789