【ジェリーフィッシュが解ける頃】Ⅶ 某所、某マンション二十二時五十分—
訪問者を知らせるインターフォンの音にリビングのソファに座って本を読んでいたアルミンはふっと顔を上げると玄関のほうへ視線を向けた後、時刻を確認した。
こんな時間に誰だろう…と小さな不安を持ちながら本にしおりを挟んで置くと静かに玄関へと向かいカメラ映像を確認すれば扉の前に一人、ぽつんと立ち尽くしている人物の姿にアルミンはすぐにそれが誰だかわかり玄関の扉を開けた。
「エレン」
名前を呼べば床に落としていた視線がゆらりと上がって
「悪い、こんな時間に、連絡もしないで」
「一体どうしたの?とりあえず入って」
促されるままに玄関へと入ったエレンを見やりつつ扉を閉めて鍵をかけるとアルミンは改めてエレンを見た。
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