ふいうちふいうち
昼休み。一旦、寮に戻っていた俺と虎杖は、校舎に向かって中庭を歩いていた。前方に見覚えのある後ろ姿。明るい金髪、仕立てのいいスーツを身につけた長身――七海さんだ。
その姿を認めた途端、虎杖は走り出し、ナナミーンと叫んでその背中に飛び乗った。
「おい、虎杖……!」
俺も急いで虎杖を追いかける。
あの一級呪術師の七海さんに飛び乗る虎杖もすごいが、平然としてる七海さんもすごい。虎杖の力はゴリラ並みなのに。
七海さんの背中から降りた虎杖は、挨拶もそこそこに話しはじめた。
「俺、結構な勢いで飛び乗ったのに、びくともしないってやっぱりナナミンはすげーや。うわ、腹筋硬い」
虎杖は七海さんの腹筋に両手でベタベタと触れている。
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