My little darling 朝というには遅い時間。ベットの上でゆっくり伸びをしてから、くぁと大きなあくびをひとつ。ぼんやりとした頭でまだまだ転がっていたいと抵抗する身体を引きずってベランダに出ると、見下ろした先にいた人物にアルバーンの目はぱっちりと開いた。
「さぁに、おはよ」
甘い声の呼びかけに反応して視線を寄越したのは、金糸の髪に整った顔立ちの美しい少年。ひらひらと手を振るアルバーンと目が合うと、恥ずかしそうに目線を彷徨わせてから小さく手を振り返してくる。ああ、なんて可愛らしい反応。シャイな少年のそんな仕草に、堪らず口元も緩んでしまう。元々キラキラしたものが好きなアルバーンが、お隣に引っ越してきたこの少年を気に入らない訳がなかった。
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