悪夢「ユーリスさああああん!」
「うおっ!?」
深夜。叫び声と共に突然ベルナデッタに抱きつかれたユーリスは驚いて目を覚ました。
何事かと横を見れば、ベルナデッタがひしっと腕に抱きついている。
「ぴえええええ」
「んだよ、ベル。どうした」
周囲に他の気配はない。さすがに不審者が入ってくれば気が付かないわけがないからその可能性は除外する。だとすると、体の不調か。ひとまず灯りを付けるべく寝台脇に手を伸ばす。
「ユ、ユーリスさあん……い、いますよねええ。大丈夫ですよねえええ」
「はあ? 何言ってんだ」
なんとか手探りで灯りをつけると、涙でぐしゃぐしゃになったベルナデッタの顔が照らし出された。怯えた表情で縋るようにユーリスを見上げる。
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