当日。「……随分と大荷物だな」
「いろいろあって……」
十二月二十六日。当日。
大量の荷物を両手に持つメイに、雪原は目を丸くした。
せっかくたくさんの意見をいただいたので、全部盛り込もうとしたらこうなってしまったのだ。
雪原は戸惑いつつもメイの持っている手荷物を受け取り、部屋の中に促す。
あまり部屋に帰らないと言っていただけあって、室内は殺風景で必要最低限の物しか揃えられていない。
メイはローテーブルの近くにちょこんと座ると、同じように腰を下ろした雪原を見た。
「ええと、ちょっと準備したいので目をつぶっててもらえますか」
「準備?」
「はい。お願いします」
「……わかった」
有無を言わせない勢いで頷くと、雪原はやや訝しげな目をした後で素直にまぶたを閉じた。
3122