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    piiichiu

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    piiichiu

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    注意!かっこいいヨヘはいません。ヨヘを乳離させたい花ちがオ〜クスに相談する小話

    洋平が出張だとかで、花道に酒に誘われた。
    大楠は、その日一日ご機嫌で過ごしていた。なんだかんだ言っても、昔の仲間が好きなのだ。最高のツレだと思っている。花道がアメリカから帰ってきて数年。今は洋平とひとつ屋根の下で暮らしている。二人が幸せそうで何よりだ。花道のいなかった頃の様子と比べると、洋平はまさしく水を得た魚、ならぬ花を得た水だった。いや、普通逆か?まあなんでもいい。
    とにかく、大楠は二人を心から祝福していて、酒の席でのろけられる位ならからかいながら聞いてやるつもりでいた。

    だが、こんな内容だとは、流石に思いもしなかったのである。

    「洋平を乳離れさせたい」

    ハ?と思った。というか言った。ハ?ナニ?チチバ・ナレ?何語?

    「洋平が、オレの乳首を好きすぎて困ってんだよ……」

    大楠は店員を呼んで、この店で一番強い酒を頼んだ。大衆居酒屋はガヤガヤと賑やかだ。大楠と花道の席はついたてで遮られていてちょっと個室っぽくなっている。運ばれてきたのはテキーラのストレート。ビール程度で聞ける話じゃない。相手が他の奴だったら、もうこの時点で立ち上がって帰ってるかもしれない。でも、花道は本気で悩んでる様子だ。なんだかんだ言って、軍団全員花道には甘い。

    「あ~~~~、聞きたくねーんだけど、まあ聞かねーと話が進まねーから……、洋平は、アレか、そういうことの最中に、ってこと?」
    「えっちの間も、触れるタイミングではほとんどずーーっと弄ってる。あと普通にテレビ見てるときとかも……ホントに隙あらば……」
    「そう……」

    大楠はショットグラスからテキーラをこくりと一口飲み込んだ。カッと強い度数のアルコールが喉を焼く。こんな話、脳みそを消毒しながらじゃないと聞けない。
    ガキの頃から知ってるカッコいいダチのそういう面を知りたくはなかったが、まあ男なんだから好きな相手の乳首好きなのはまあ……普通なんじゃね?とも思う。

    「花道はなんでヤなんだ?まあ言って恋人同士のイチャイチャだろ?触らせときゃいーじゃん」
    「だっ!だ、って……感じすぎちゃうんだもんよ……」

    大楠はテキーラのショットを一気にあおった。大楠は酒に弱くはないが、酒豪というほどではない。こんな飲み方をしたら潰れる。わかってても、男には飲まなければならないときがある。
    大楠は店員にショットのお変わりを頼んだ。
    オレたちのジュンでウブな花道が。イヤ、洋平と花道がくっついて数年、もちろんヤることはヤっているだろうとは思っていたけれども。友人夫婦のそんなことわざわざ考えねーだろ?少なくとも大楠はできるだけ考えないようにしていた。

    「乳首ってそんな感じるか?」

    他になんか聞くべきこととか、当たり障りのないアドバイスとかがあるはずだったが、大楠の口から出たのは何故かそんな言葉だった。
    だって、乳首ってほとんど特別な感覚なくないか?いやソリャつねられたら痛いけど、他の周辺の皮膚とそんなに変わんなくない?元カノなんか、全然感じないから男に触られてる間ヒマだし、感じてるフリするのダルいとまで言っていた。女の子でさえそうなのに、男の乳首なんか……なあ?

    「オ、オレだって最初はそうだったんだけど……洋平がずーーっと弄ってきて……オレ、アメリカから帰ってきた後3年は日本でバスケ選手してただろ?その間は、シーズンの間は本番は控えてて……代わりにいっぱい触らせてって言うから、オレもうんって言って……」

    それで、まんまと開発されちゃったってわけか。

    「なんか、ち、くび触られてるときの気持ち良いのって、チンコの時と違くて……なんか、頭がジーンッってなって……そこだけでも気持ちいのに、他のとこと一緒にされるとホントにダメで……ヤダって言ってるのに、洋平、乳首触るのやめてくんねーんだ」
    「ちなみになんて言ったん」
    「ちゃんと、乳首はきもちすぎるからヤダって言った!」

    大楠は届いたばかりのテキーラをまた舐めた。そりゃダメだ。それで止める男はいねー。
    なんか食いてーなと思った。この勢いで酒ばっか飲んでたら潰れる。やけ食い方面に変更だ。大楠はメニューを見て、お好み焼きと焼き串セットと肉寿司を頼んだ。花道がいる席で、頼みすぎという事象は存在しない。残ったら全部花道が食べる。注文をとりに来た店員に、花道はからあげと白米の大盛りを頼んでいた。

    「まーーー、ホントのホントにイヤなら、ヤってる最中じゃなくてシラフん時に、ちゃんとそう伝えたら?洋平が花道の言うこと聞かねーわけねーだろ?」
    「ヤる前にちゃんと言ったことあんだけど……洋平はふーん、いいよって言ったのに……」
    「やっぱ触られた?」
    「イヤ……乳首は触んないで、ずーーーっとその周り触ってきて……触るか触んないかのとこで……オレがもういい、触っていいって言っちまったから……」

    真っ赤になってぐすぐすと涙ぐんでる花道が、本気で悩んでる様子でなければ、大楠は叫び出していたかもしれない。洋平。どんだけ花道の乳首触りてーんだ。洋平は花道に甘いが、同時に洋平ほど花道の扱いがうまい人類はいない。花道を言いくるめることなんか、洋平には朝飯前だ。

    「なんか、近所のばーちゃんに聞いたらカラシ塗れって言ってて、……やってみたんだけど」
    「マジか」

    近所のばーちゃんに何て聞いたんだよ。

    「びっくりはしてたみてーだけど、止まんなかった……」

    まあ、そりゃあそうだろう……。
    大楠は届いた料理を食べながら考えた。洋平から花道の乳首への興味を薄れさせることは不可能だろう。だから方法は、花道が受け入れるか、洋平の手をなんとかして塞ぐしかない。

    「でもきもちーんだろ?なら開き直って受け入れられねーの?」
    「……でもなんか、最近乳首でかくなってる気がするんだよな……大楠、どう思う?」

    花道が躊躇わずにぺらりとTシャツを捲る。花道の乳首は意外に薄い色で、ふくりと柔らかそうだった。だが見せられても、比較対象が遠い学生時代の記憶しかないのでなんとも言えない。
    とにかく、ひとつ言えることは。

    「おめーな、簡単に脱ぐなよ。洋平に殺される」
    「脱いでねーじゃん」

    乳首を見せるな乳首を。そう言おうとした大楠の携帯が、突然鳴り始めた。じゃんじゃんじゃーーん。じゃんじゃんじゃーーん。火サスのテーマ。洋平用の着メロである。

    「………………」
    「出ねーの?」
    「……花道、お前出てくれる」
    「相手誰?洋平?まあいーけど」

    花道が大楠の青い折りたたみ携帯を開く。

    「あ、洋平?うん、今大楠と飲んでる。うん?そうそう。ハハ、そう。洋平は出張どう?おう。うん。お土産よろしく」

    和やかに会話して、通話は切れた。

    「あ、ヤベ、切れちまった。洋平、大楠に用があったんじゃねーのか掛け直す?」
    「イヤイヤ。イヤイヤイヤ。なんか用があればまた掛かってくんだろ。いいから。ハイ」

    大楠はすっかり酔いが覚めてしまった。まさか今関西に出張中の洋平が見ていたはずもないが、タイミングが怖すぎる。

    「花道……じゃあこういうのはどうだ?手を繋いで欲しいってお願いすんの。流石の洋平も、手が塞がってたら触れねーだろ」
    「おお!良さそう!」

    花道は納得して頷いた。
    そのあとは乳首の話題からようやく離れて、昔話に花を咲かせて楽しく飲んで食べて帰った。

    数ヶ月後、花道が泣きそうになりながら言った。

    「洋平が耳舐めてくるのやめさせたい……」
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