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    真紀瑠唯

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    真紀瑠唯

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    兄や、引き取られた当時それなりの年齢だった村人たちは、二人に血の繋がりは無いと知ってるけど妹は知らない設定。周囲が特に説明してないのは「見た目で一目瞭然」と考えていたから。
    兄16妹11位でどうでしょ?広い世界も見た方が良いと、一時的にしろカール王国騎士団に入団目前の兄と彼を慕う妹。 # 義兄妹ヒュンマ

    #ヒュンマ
    hygmma
    #ちびマァム
    #子ヒュン
    smallHoon
    #義兄妹ヒュンマ

    希う「マァムはお兄ちゃんが本当に好きなのね」
    小さい頃からよく言われていた言葉。

    「うん!大しゅき!!」
    「そうよ、自慢のお兄ちゃんだもん♪」
    そうやって、即返事が出来たのはいつの頃までだったろう?


    五歳年上の兄さんは、父さんやアバン先生から戦士としての指導をかなり早くから受けていた…らしい。私がまだ赤ちゃんの頃だったから母さんから聞いた話だけど「太刀筋がとても良い」と二人ともベタ褒めだったそうだ。
    物静かで声を荒げたりしない兄からは想像もできなかった。でも先生がネイル村に来た時に修行の様子を見せてくれて。いつもニコニコしている先生が真剣な顔で兄さんの相手をしてて。それで母さんが言ってたことは本当だったんだって分かった。

    その頃からかな?村の子たちから兄さんの事をアレコレ聞かれるようになったのは。そしてその度に胸に重いものが溜まっていったのは。
    「何よ皆、急に。お兄ちゃんが格好良いのは昔から!私だけのお兄ちゃんなんだから!!」
    そう叫びたいのに叫べない自分になっていた。


    それから暫くして一緒にアバン先生の指導を受けるようになった。体術を教わる頃から小さな怪我は日常茶飯事になる。そんな私の姿を見て、元々口数の多くない兄さんが、何かを考える素振りで黙り込むことが増えた。いつだったか先生に「マァムにこれ以上の厳しい修行をやらせないで欲しい」と訴えているのを目にして、その場で泣いて抗議したっけ。

    何で泣いたりしたんだろう私?
    すっごく悔しかったからだ。兄さんと一緒に、父さんや母さんのように村の人を守れる人になりたかったのに止められたみたいで。私だけ他の家族とは違うと言われたみたいで。
    ……違う。兄さんの隣を歩めない未来が……怖かった。



    何だろう?今夜は満月だからか気持ちがグラグラしていて落ち着かない。色んなことが頭に浮かんできて目が冴えてしまった。夜風に当たって気持ちを鎮めようと窓を開けて外を見る。
    ストロベリームーン。願いを叶えてくれるというお月さま。兄さんの髪の色みたいな光の中で祈る。カールに行っても元気でいて。騎士団で怪我なんかしないで。……どうか貴方が幸せでありますように。
    「やだ…行かないで……」


    「眠れないのか?」
    突然声をかけられ「ひゃあー!!」と叫んでしまった。
    口を押さえて横を見ると隣の部屋、同じように窓を開けて外を見ていたらしい兄さんがいた。もしかして聞かれちゃった?

    「もう!驚かさないでよ…///

     兄さんも眠れないの?」さっき口にした言葉を聞かれてないか様子を伺う。
    あ、またあの表情だ。寂しそうな……


    ややあって口を開いた兄さんが月を見て言う。
    「今夜、満月に祈ると願いが叶うと聞いた。
     義母さんとお前が健康で過ごせるようにと祈っていた」

    「お前の実力は分かってるつもりだ。だが無理はするな。辛い時は…」

    もう我慢出来なかった。本当にネイル村を出てしまうのだと。離れて暮らすのだと。
    私は涙をボロボロ流して泣いた。
    「辛い時は、慰めてよぉ!いつもみたいに…!!」


    あんなに慌てた兄は、そうそう見られるものじゃない。
    少しの間アレコレ挙動不審になってた兄さんだけど、壁伝いに部屋に入って来て
    私の頭を撫でると、落ち着かせるように背中をポンポンと叩いた。

    「私、赤ん坊じゃないもん!///」
    「それだけ泣いてて説得力ないぞ」

    いつもの兄さんより、ちょっぴり幼い顔で笑うと私を寝かしつけにかかった。
    まだまだ盛大にグスグス泣いてた私だけれど
    片手をぎゅっと両手で握ってベッドの横に腰を下ろした兄さんに
    「お前が眠るまでこうしているから」と言われ少しずつ落ち着きを取り戻す。

    記憶に無い幼い頃の話をする兄の声を聞きながら徐々に私は眠りに落ちていく。
    頭を撫でられる感触がする。

    「おやすみマァム。オレの大切な  」
    意識を手放す直前、自然と笑顔になっていた。
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    あの頃は手紙を書くのも届けるのも一苦労。
    便箋なんて中々売っていないし、書けたとしても送る手段が限られ相手のいる近くに行く用がある、信頼できる商人や旅人に託すしかない。
    その上長旅の途中で紛失したり商売の都合で渡すタイミングが遅れたり、返事は期待しない方が精神衛生上良い位。

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