この学園都市には魔術研究部があった。注釈しておくと、“魔術部“という存在は、学園内に他にも沢山ある。魔術総部、魔術訓練部、魔術魔法研究部、魔術同好会など。星の数ほどある”魔術部“のうちの一つなのである。
そんな魔術研究部部長は、こだわりが強い――性格がキツイことで有名だった。やれ「真面目にやってる? もうちょっと集中して打たないと。こんなものを俺は魔術とは認めない」と睨まれるだの、「ふざけんな! 材料の代替なんてダメに決まっているだろ!」と、材料採りの遠征をさせられるだの。なお、魔術の材料の代替は魔術師界隈の中でメジャーである。つまり、部長のこだわりが異常だった。
そんな彼に辟易とした部員は、他の“魔術部”に流れていった。
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