ハンマヴェ/お題:これからもよろしく 若い頃、人肌恋しくてやんちゃしたことがある。その時の経験から自分が男女どちらとも交渉を持てることを知っていた。一定期間付き合うのは女性が多く、男はもっぱらワンナイトであったが。
だから彼から交際を申し込まれた時に同性であることが障壁になるかと問われて即答ではなかったものの否定したし、年齢差においてもそうだった。お互いいい年の大人だ。
ただ、互いに古い慣習の残る組織に属しているため――自分はもう長いこと在籍しないだろうが、相手は将来有望だ。その妨げにはなりたくないと正直に告げた。正直であることが一番誠実であると身を持って学んだため、彼にもそうした。
自分が君にとって相応しいかと考えた時、僕はそう思えない、と。
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