貴方の好きな香り貴方の好きな香り
ハピみな展示/新作
暇潰しに事務所に置いてある雑誌を手に取りぱらぱらと捲ると、棗巳波の意外な一面と書かれたページで手が止まる。そこにあったのは健啖家であるとかマニアックな一面だとかそんな見出しばかりで。
──意外……意外……?
自分が彼と共にいる時間が長く、知っていることが増えすぎた自覚なんて全くない悠は首を傾げる。それはそれとして、と悠は写真をまじまじと見つめた。
「めちゃくちゃ良い顔してるじゃん」
嬉しそうに食事をする姿、楽しげに作曲についてインタビューを受ける彼。それから、何処か自慢げにユニットのことを語る笑顔。そのどれもがきらきらと輝いていた。“写真は”良いし電子版で買っていつでも見られるようにしておこうかなと雑誌名で検索にかけ、販売ページを開く。
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