ネクタイ緩めてコーヒーを飲む眼鏡ちょーぎくん(現パロ)「待たせてすまない」
カフェのざわめきの中、耳に飛び込んできたその声に、意識が本から現実へ引き戻された。自分でも分かるほどぱっと顔を輝かせながら目を向けて―瞬間、目を見開いてヒュッッッと息を吸い込んだ。
「いっっ……え全然大丈夫、たとえ大丈夫じゃなくても今大丈夫になった……」
「ん?」
「ううん何でもない、デス」
片言の敬語で動揺を隠そうとする私に僅かに小首を傾げながら、長義さんは向かいのソファに座った。腕にかけていたスーツのジャケットを軽く畳んで座面に置き、流れるように首元に右手をやって、ネクタイに指を引っ掛けて、首を僅かに捻りながら少しだけ引っ張り、
「わァ……ぁ……!」
「どうしたのかな、さっきから」
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