映画のデクサンの「雄英で待ってる」発言についてのお話(題名)「おいクソデク」
心地良い海風に吹かれる中、かっちゃんは嫌に不機嫌だった。なぁに、なんてのんびりと答えれば2人分くらい空いた距離が意味を成さないくらいに感情が伝わってくる。「どういう意味だ」なんて、聞いてこなかった。かっちゃんは賢いから。僕達の怪我についても、口頭で確認するようなことはしなかった。かっちゃんは、賢いから。
「僕はオールマイトが大好きでね、」
「……んなこた知っとるわ」
「だから、だよ」
いつも通り、笑えただろうか。
ワンフォーオールは僕にとって無期限じゃない。僕なんかで終わらせちゃいけない、大事なものだ。オールマイトが師匠から受け継いだように、僕がオールマイトから受け継いだように、更に次へ、繋げる義務が僕にはある。後継者を探すために雄英教師になったオールマイトのように、有能な有精卵の中から選ぶのが一番合理的だとは思う。……なんて、僕自身がオールマイトにとってアクシデントだったわけだけれど。
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