弥+梶「では明後日、十四時に待ち合わせで良いでしょうか?」
「はい!楽しみだなぁ、弥鱈さんの家に行くの」
挨拶をする程度の関係から、ゲームの趣味が合ったことで本部で会えば雑談をし連絡先の交換もしてメッセージのやり取りもするようになってから数ヶ月。
ゲームの攻略のためにどうせなら一緒にプレイしましょうと予定を合わせて家に招いてしまった。
友達(そう言ってもいいだろう)を招くなんて初めてで、我ながらよく誘ったなと思う。
「僕、夢だったんですよ。友達の家でお泊まりして遊ぶの」
「えっ」
梶様、今なんとおっしゃいました?
「あ…れ?もしかして僕変なこと言いました?」
キョトンとした顔は自分の発言に気付いていないのか、もしかして誘った時に泊まりの話をしたことを私が忘れているのか。いや、忘れているということはない。
「お泊まり…します?」
「え…?あ!すみません!午後からだし僕勝手に泊まりかと思ってしまって!弥鱈さんだって都合ありますよね。そもそも泊まるなんて僕まだそこまで親しくないのに…。普通に考えたらいきなりお泊まりなんて変ですよね!?」
「いえ!しましょうお泊まり!」
今日イチ、いやここ数週間で一番大きな声が出た。
「…弥鱈さんもそんな大きな声出すんですね」
「私だって大声くらい出します。でも、自分でも驚いています」
先程のお泊まり発言から驚いているのは私です。そんな、大声くらいで驚いた顔をしないでほしい。
「翌日は私用がありましたがずらせるので大丈夫です。実のところ、友人が泊まりに来るというのは初めてなのでとても楽しみです」
「いいんですか?それなら嬉しいですけど…」
「そのかわり、夜は寝かせませんよ」
「わぁ。なんか妖しい響きですね、それ」