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    sikulym

    @sikulym
    詞倉の閃いたものぽいぽいしていくばしょです
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    sikulym

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    ス○ブラしてる門弥。

    #門弥
    peepingTom

    SMASH「門倉さん、ここまでです。終わりにしましょう」
    「嫌や。絶対嫌。諦めへんよ。ワシは絶対諦めん」
    「もう無理なんです。こんな状況で諦めないなんて愚か者ですよ」
    「黙り。愚か者でも何でもええ。ワシは諦めん男なの」
    「しょーがない人ですね…」

    はぁ。とため息をつくと同時に、コマンドを入力するとそれに合わせて、忍のような服装をした青年が画面上で踊るように技を繰り出す。その技は、体力蓄積ゲージが120%を指し示し息を切らせたゴリラに向かって休む間もなく当たり続ける。

    130%、140%とダメージがどんどん蓄積され、赤黒くなったゲージとそれでも耐える1匹の黒いゴリラがステージ上で青年と対峙する。
    慈悲もなく弥鱈は右スティックを弾くと同時にゴリラは空の彼方へ勢いよく飛んでいき、キラーンと音を立てて姿を消す。切り替わった画面に先程の青年が大きく映し出されNo.1の文字が浮かぶ。その後ろでゴリラが悔しそうにのたうち回っている。

    「あ〜…何で勝てへんの〜!ストファイなら互角っちゅーに…もう一戦や…!」
    「64からSwitchのスマブラを全てを制し、Switchに関しては全キャラVIPの私に勝てると思うなんて、門倉さんはほんとに愚かですねぇ〜どうせ勝てませんよぉ〜?」
    悔しがる門倉を横目に唾玉を飛ばし、挑発を重ねる。
    「いーや、もうおどれのクセ見えてきたけぇ。次は勝てるよ。得意キャラ使い」
    「随分と自信がおありで。じゃあお言葉に甘えて私はお気に入りを使わせてもらいます。力み過ぎてコントローラー壊さないでくださいよぉ?
    あっ。もし門倉さんが勝ったら、何でもいうこと聞きいであげますよぉ〜、まあ無理でしょうけどかっこ笑い」
    「かっこ笑いって口で言うなや。この小僧…。男に二言は無しやからな。ワシが勝ったら何でも聞いてもらうからな?ほいなら、やるよ」

    胡座をかきソファの上を陣取る弥鱈と、弥鱈の足の交点に頭を預け、床に座る門倉が両者ともコントローラーを持ち直し、画面に向かう。

    弥鱈は、緑の帽子を被ったオーバーオールのキャラを。門倉は、先ほど惨敗したゴリラではなく、鉢巻をつけて道着を身に纏った筋肉質なキャラを選択した。

    「ストファイなら、ってそういうことですか?」
    「んや?雰囲気の問題じゃ」
    「リュウは扱い難しいですよ?ほんとに大丈夫ですかぁ?」
    「へーきへーき。まあ、みときんしゃいって」

    ゲーム開幕のゴングが鳴る。

    弥鱈は、軽い動きで距離を取り遠距離技で蓄積ダメージを与える。
    (門倉さんの先程までの動きを見るに、ちょっと距離を置いてダメージを与え続けて、最後に即死コンボでもお見舞いしてあげましょう…)

    とはいうものの思ったようにダメージが蓄積されない。それどころか、間合いを詰められ、一気に崖側に追いやられていた。

    「なっ…いつの間に…?」
    「ははっ。調子に乗ったなあ、おどれはさっきからワシに手を抜いてか攻撃パターンがお決まりになっとったよ〜?遠距離で稼いで、コンボ繋いでズドンやろ。見え見えよ」
    「門倉さんのくせに…」
    「なんとでも言いんしゃい、これで終いや!」
    門倉のキャラが小さく跳ね、弥鱈のキャラへ拳を打ち込む。が、そこに弥鱈のキャラはもういない。
    「え?」
    「残念ですね」
    カチカチカチカチカチと目にも止まらぬスピードでコントローラーのボタンが押される。
    そのボタン全てに従うように緑の帽子がどこからか出した掃除機で男の道着を吸ったと思えば、小さく跳ね、男はされるがままに倒れ込む。倒れた男を蹴りあげたかと思えば、体を回転させて床へ蹴り付け、立つ隙も与えず確定コンボを決めあげる。うわああという声を上げながら場外へ飛ばされる男の姿を見送り、またリザルト画面を表示する。
    「…」
    「どうしましたぁ〜?か〜ど〜く〜ら〜さぁ〜ん?」
    「…」
    「拗ねちゃいまし、た?あ、うわあ!」
    ソファの上から敗北した門倉の顔を覗き込もうと重心を前に傾けると、ぐんっと伸びた腕に両脇をしっかり掴まれ、身体ごと持ち上がったかと思えばソファから門倉の膝にすっぽりと収まる。
    「ちょっとぉ〜何するんですかぁ。負けた腹いせですかぁ?」
    「負けたのは、もうこの際ええのよ、悔しいけど」
    「じゃあなんですかぁ」
    「せっかく、膝に弥鱈乗っけてゲームしよってお願いしようと思ったけ、お願いできんくなってもーたから、力尽くで…」
    「お願いもクソもあったもんじゃないですね」
    「楽しそーな弥鱈を後ろから見たかったんよ」
    「はー…あなたって人は…。せめてソファに乗ってください。腰痛めますよ」
    「年寄り扱いせんといて…。ソファ座ったら、ワシのヒザ座ってくれるん?」
    「座り心地によります」
    「もう上物よ。弥鱈をダメにする門倉よ」
    「また強気な…」
    よっという軽い掛け声と共に身体が持ち上げられ、ソファに座る門倉の膝に再度収まる。
    程よい温もりと硬過ぎない背もたれ。
    「門倉さんあなた椅子の才能あったんですね」
    「おどれ抱っこできるならいくらでも椅子になったるよ」
    「はあ。まあ、悪くない居心地なので、いいでしょう。まだやりますか」
    「おん。勝つまでやるよ。ってかさっきの崖どうやって抜けたん?」
    「あれは、転がりを使って………」

    この後、2時間ぶっ続けでスマブラ大会が行われ、戦績は、弥鱈39勝1分けで幕を閉じた。
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