左千夫誕生日2ー①▽▽ KUKI side ▽▽
「ねー、今更だけど、サ。誕生日プレゼント何かほしいものある?」
左千夫クンの誕生日は既に過ぎてしまった。
ボクは彼の誕生日当日ギリギリに中国の実家から帰ってきてお祝いするつもりだったけど……。
弟の皓宇のせいで、左千夫クンはボクと別れるって言い出すわ、折角帰ってきたのに居なくなるわ、そんでもって、結局ボクが激昂しちゃって、左千夫クンがボロボロになるまで陵辱してやった。と言う、彼にとっては散々な誕生日になった訳だけど。
ボクが日本に戻ってくる予定は今日だったので喫茶【シロフクロウ】での左千夫くんの誕生日パーティは明日を予定している。左千夫くんは基本何も欲しがらないのでいつも適当に用意するんだケド、左千夫クンから別れを切り出されたときに全てキャンセルしてしまったり、他の奴に譲ってしまったのでこうやって質問してみることにした。
調度風呂上がりでびちゃびちゃにぬれたままバスローブだけ引っ掛けて出てきた左千夫くんは表情なくボクを暫く見詰めてから、そのまま顎を引いて自分の股間を見詰めていた。
「…………貰いましたけど?」
「う、……うん、そうなんだケド」
酷く冷たい声で言われた理由は……まぁ、わかる。陵辱してやった時に左千夫クンがボクが買ってきたチープな指輪を大事そうに持っていたので、彼用に作り直して、事もあろうが指では無く陰核に取れないようにピアッシングして嵌めたからだ。確かにあの時に誕生日プレゼントって言ったことは言ったケド、あれはボクがあげたかったから押し付けたもので、左千夫くんが欲しかったものでは無い。
立ち上がると無理矢理左千夫くんを引っ張ってソファーへと座らせる。タオルを取ると先に髪をタオルドライしながら会話を続けた。勿論、好きあらば逃げ出そうとしているので行動を止める事はできない。
「自分でできます……」
「ダメダメ〜、左千夫クンどうせサーキュレーターの前で仕事しながら乾かすだけだカラ……!たまにはボクにさせてヨ〜」
「ケアはちゃんとしてます、寧ろ髪には温風よりも良いはずです、……それに……面倒ですよ?」
「ボクがしたいからいいの!で、……他にはないの?……色々用意してたんだケド、全部キャンセルしちゃったカラ……そんな直ぐに手に入ってキミが喜びそうなものが浮かばないんだよネ〜」
「…………何もいらない──」
「それは却下ネ!宝石でもいいんだろうケド……今からじゃ一級品は難しいしネ」
「確かに貴方の目に敵う宝石は質が良く僕の能力とも相性が良いので助かってますが……結局壊してしまうので」
肩に掛けていたバスローブがソファーへと落ちると濡れた白い肌が露わになる。目の毒以外の何物でもない肢体を晒しながらボクを真っ直ぐに見上げて少し悩んでいる様子はそれだけで性欲を掻き立てる。頭の中が邪な感情しか浮かばなくなっても丹念に髪を乾かした。ドライヤーの音を響かせ、ケア商品を馴染ませ、朝は三つ編みにしてあげるけど夜なのでそのまま形だけを整えた。