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    sumiwatari

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    にょた澄 
    優しく江澄を守ろうとするけど彼女は強かです

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    sgm

    DONEアニ祖師7話の心の目で読み取った行間埋め曦澄。
    魏無羨の抹額ハプニングのアフターフォローしに兄上のとこに謝りに行く江澄。
     一位で雲夢江氏と呼ばれた時、少しでも期待した自分が恥ずかしい。藍忘機との諍いの後、藍忘機の態度が魏無羨も気になっていたのか、調子を崩していたようだったから、もしかしたら自分かもしれない、と思ったのだ。
     結果は一位は魏無羨で、自分は二位でもなく、三位でもなく、四位ですらない。途中で棄権した藍忘機にすら自分は勝てなかったのだ。温晁は途中で退場したから、残りの五大世家の公子の中で、上位に名前を呼ばれなかったのは自分だけだ。江澄は拳を強く握った。
     魏無羨が一位なのだから、雲夢江氏としての面目は十分に取れている。それは素直に喜ぶべきことだろう。雲夢江氏として誇らしいことだと。実際に喜ばしいと思う。雲夢江氏が一位だと聞いた時、自分ではなかったけれど、誇らしかった。ただ、そのあと、上位に自分の名前が呼ばれなかったことが悔しくて仕方がない。
     後ろではしゃぐ魏無羨と師弟たちの声を聞きながら江澄は溜め息をこぼした。まだ、修練が足りないということか。止まっている的を射るだけではだめだ。動いている的を確実に当てることができるようにならなければ、魏無羨に並べない。
     生まれ持った才能の差があるのだから仕 3526

    sgm

    DONE酔って陽気になって「渙渙」って呼ばれたい兄上(馬鹿力)
    Qにはいつだって夢が詰まってる。
     誰だ。この人に酒を飲ませたのは。
     ……俺だな。
     今まさに自分の身に降りかかっている惨状に溜め息を吐いて、江澄は手にある酒杯を煽った。いっそ自分も酒精に理性を奪われてしまっていれば楽になれただろうに、真後ろに酔っ払いがいる状態では、酔うに酔えない。むしろ酔いもさめた。
     卓の上に散乱した酒壷と元は酒杯だったものの残骸を見つめて眉間にしわを寄せた。途端、後ろから伸びて来た指が、ぐりぐりと眉間の皺を伸ばそうと押してくる。
     痛い。この馬鹿力め。
     怒鳴る気すら失せて、煩わし気に手を払うと、くすくすと楽し気な笑い声が聞こえてくる。
    「おい、藍渙。そろそろ放してくれ」
     椅子に座り、膝の上に自分を乗せて後ろから抱きかかえている藍曦臣に無駄だと分かりながらも声をかけた。顎でも乗せたのか、ずっしりと肩が重くなる。
    「なぜだい? こんなに楽しいのに」
    「そうか。あなたは楽しいか。それはよかった。だが、放しても楽しいと思うぞ」
     俺は楽しくない、という言葉は辛うじて飲み込んだ。
     藍曦臣は酒精を飛ばして水のようにして飲むことができる、と魏無羨から聞いていたため、藍曦臣が珍しく茶ではなく、江澄の酒壷 3901

    sgm

    DONEアニメ9話と10話の心の目で読んだ行間。
    現曦澄による当時の思い出話。
    諸々はアニメに合わせて。ややバレあり。
    [蓮の花咲く]にいれよ〜て思って結局入らなかったやつ
     藍曦臣と睦みあいながらも交わす言葉は、睦言ばかりではなかった。
     夕餉の後、蓮花塢ならば江澄の私室か、真冬以外は四阿で。雲深不知処ならば寒室で。酒と茶を飲みながら語り合う。対面で語り合うときもあれば、すっぽりと藍曦臣に後ろから抱きこまれている時もあるし、藍曦臣の膝を枕にして横たわりながらの時もあった。
     一見恋人として睦みあっているかのようでも、気が付けば仕事の話の延長線上にあるような、最近巷で噂になっている怪異について、天気による農作物の状況や、商人たちの動きなど領内の運営についての話をしていることも多い。
     六芸として嗜んではいるが、江澄は藍曦臣ほど詩や楽に卓越しているわけでもなく、また興味はないため、そちらの方面で会話をしようとしても、あまり続かないのだ。そちらの方面の場合はもっぱら聞き役に徹していた。ただ聞いているだけではなく、ちょうど良い塩梅で藍曦臣が意見を求めてきたり、同意を促してくるから、聞いていて飽きることはなかった。書を読まずとも知識が増えていくことはなかなか良いもので、生徒として藍曦臣の座学を受けているような気分になれた。姑蘇藍氏の座学は今でも藍啓仁が取り仕切って 5582

    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第四回お題「看病」

    現代AU、友人でもない曦澄。
    大学生澄+羨はルームメイト、今回は忘羨を含みます。
     江澄は呆然とその人を見返した。
     扉を開けた先に立っていたのは藍曦臣、大学の先輩である。彼はまったく似合わないコンビニ袋を下げている。
     有料袋を買ったのか、もったいない。
     益体もないことを考える江澄に、藍曦臣は眉尻を下げて笑った。
    「弟から連絡をもらったのだけど、差し入れを持ってきました」
    「はあ、はい、ありがとうございます」
     彼の言う弟とは藍忘機である。江澄の義兄とは恋人同士で、今日は二人で温泉旅行に行っているはずだ。
    「ゼリー飲料と、栄養剤と、それから経口補水液。あとおかゆも入っているから」
     コンビニ袋を差し出され、江澄は素直にそれを受け取る。
     おかしい。何故、藍曦臣が自分の体調不良を知っている。
    「あれ? 魏無羨からなにも聞いてない?」
    「魏嬰? いや、なにも」
     と言いかけたところで、江澄はスウェットのポケットからスマートホンを取り出した。
     そういえば昨晩から放置していた。今、何時かも確認していない。
     ホーム画面には十四時とある。それから着信とメッセージの通知が大量に表示されていた。
    「あ……」
     慌ててアプリを開くと、義兄からのメッセージが流れていく。
     —— 1731

    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第五回お題「夜狩」

    恋人関係曦澄ですが、曦が出てきません。夜狩を真っ向から書いた結果、こんなことに……
     その夜、江宗主は非常に機嫌が悪かった。
     紫の雷が夜闇を切り裂いていく。その後には凶屍がばたばたと倒れ伏している。
    「ふん、他愛ない」
     雲夢の端、小さな世家から助けを求められたのは昨夜のことだった。急に凶屍があふれかえり、仙師全員で対応に当たっているが手が回りきらない。どうにか江家に応援を派遣してもらえないか、という話であった。
     江澄はその翌日、つまり今朝から姑蘇へ発つ予定であった。藍家宗主からの招きによって、五日ほどを雲深不知処で過ごすことになっていた。
     しかし、これでは蓮花塢を留守にできない。
     世家への応援を師弟たちに任せることもできたが、江澄は蓮花塢に残ってひとり苛立ちを抱えることになる。そんなことは御免である。
     世家の宗主は江宗主自らが出向いたことにひどく驚き、次いで感謝の意を述べた。いたく感激しているふうでもあった。
    「あとどのくらいいる」
    「それが分かりませんで。原因も不明のままなのです」
    「ならば、調査からはじめなければな」
     江澄は最初に凶屍が現れたという地点へと向かう。山を進めば進むほど闇が深くなる。今晩、月はまだ出ていない。
     ふいに嫌な気配を感じて紫電 1712