snzと死にたがり🌸ちゃん広がるのは鮮やかな赤だった。
出稼ぎ先の田舎のソープで思った、海綺麗そうだ死のう。何が悲しくてこんな人生になってしまったのだろう適応障害で昼職が上手く働けなくなって躁鬱で普通のバイトでも生活費が厳しくなって気付けばソープで汚いオッサン相手に身体を売ってた。もういいだろ私は生きた。そう思って出稼ぎ先の田舎のソープを抜け出して海の広がる漁港へ深夜飛び出した。
そこで見たのは鮮やかな赤、赤、赤。目の前で広げられる惨状は私の気が確かなら人間の解体ショーだった。ピンクの髪した綺麗な人は日本刀で淡々と人間を解体していたのである。
「いいな……。」
「?」
思いのほか綺麗な顔からはドスの効いた声が帰ってきた。いいなと思ったのだ肉塊になっていく人達を、一緒に殺してくれないかな。もう私つかれたの。日本刀好きだし日本刀で殺されるなら本望だわ。
「あ、あの殺してくれませんか!?」
「はぁ!?」
「そ、それ日本刀ですよね!?現代刀ですか?少し反りがありますね、もしかして平安刀だったりします!?いや〜日本刀綺麗ですね!!是非そのまま私も肉塊にしてください!!」
勢いに任せて綺麗な人に殺してくれと縋った、綺麗な人は若干引いていた。
私は如何に無能で出来損ないで後がない汚い人間になってしまったかプレゼンした。憂さ晴らしに酷い殺し方でもいいですよ!と腕を捲る。そこには歴戦の友とも言える鬱と戦った記録であるリスカ跡がびっちりだ。
「まぁ……あれだ見られたし素直に帰せねぇから車乗れ。」
「え、私死ぬなら海がいいんですけど山に埋められる感じですか?」
「それはお前次第だなぁ。」
それはちょっとしたストレス発散だった、普段は下っ端に任せてるスクラップを自分でしに行った時だった。こんな深夜に誰も来ねえと思ってたら倉庫から女がこちらを覗いてた。冬だというのに薄着で鼻が赤くなっていた。
やべっ見られたと思った瞬間に女は俺に駆け寄ると殺してくれと言ってきた、そこの肉塊のようにと。
女は如何に自分が無能で出来損ないか熱弁すると慈善行為と思って殺してくれと。やめろ反社は慈善行為なんかしない、その時思ったこの女生かしてやろう。それは優しさなんかじゃないただの嫌がらせだ。反社は慈善行為で殺しなどしないのだ。
「ここ……どこですか?」
「これからのお前の家だ。」
「いや、殺してくれって頼んだはずなんですが……」
「〜飼い殺しって奴?」
飼い殺し……どうやらこの綺麗な人、私を殺さないつもりらしい。しくじった。死にたいと言うのにセキュリティ万全出るにも入るにもカードキーが必要なタワマンに来てしまった。勝手に出ても行けないしこれでは死ねない。
「好きにしていいから、勝手に出ることと死ぬことだけは許さねぇ。勝手に出ていったら地の果てまで追いかけて強制的に生かすからな。」
「はぁ……。」
終わった、いや新たな人生の一章が始まってしまったのか?監禁編の人生始まっちゃってるよこれ。詰んだ。