人間関係リセット症候群の🌸ちゃんとmty(mty視点)俺の好きな人は目を離すとすぐ消えようとする。勿論人間消えることは無いがナマエは一年に一回進級する度に連絡先やSNSなど連絡取れそうなツールを全て消すのだ。その度に俺は慌ててクラス替えして離れてしまったナマエの教室まで行ってナマエの連絡先をゲットする。このやり取りは中学2年生から高校3年生まで続いた。
ナマエは一年に一回連絡先を変えるもんだから友達も一年に一回強制的に変わる。もう俺とは友達終わり賞味期限一年と言わんばかりの行動に抗うように連絡先が消える度に延長を申し出るかのように連絡先をゲットしてきた。それも今日で最後かもしれない今日は卒業式なのだ。不安でナマエのLINEアカウントがあるか1時間に1度確認してしまう。
「新しい生活が始まるわけだけどぜってぇ連絡先変えるなよ。」
これが最後の会話になったらどうしようと思いながら卒業アルバムの寄せ書きにデカデカと電話番号を書く。
「そんなにデカく書いたら他の子書けないじゃん!!!」
「一番目に付くだろ?110番の次に俺の番号覚えとけ。困ったら連絡しろ。」
なんで俺の電話番号は11桁もあるんだ、3桁の緊急ダイヤルを羨む。
卒業式の後はホテルで卒業パーティがあり皆少し華やかな格好をして集まる、大体女子はカクテルドレスだと代々決まってる。ナマエは何色のドレス着るんだろう?肌が白いから青とか引き立つんだような、そう思っていたが結果から言うとナマエは卒業パーティに来なかった。卒業パーティ来ねえのか?とLINEしようとして気が付く【メンバーがいません】やられた。
中学からの付き合いの俺はナマエの両親とも会っていたしナマエの家も知っている。卒業パーティを抜け出してナマエの家へ走っていけばびっくりした顔で迎え入れてくれたナマエのお母さん。
「あのナマエさんは……?」
「え?ナマエ三ツ谷くんに言ってなかったの!?あの子北海道に就職で今日家を出たのよ。」
「そうでしたか……。」
「北海道行くことがあれば遊んであげて!○○商事に勤めてるから!」
俺はそこで安心した勤め先の情報を手に入れる事が出来たのだ。今度北海道に行って勤め先で出待ちして驚かせよう、そして連絡先を消すなと叱るんだ。
北海道に行くには往復8万、服飾専門学校で服を作る材料を買いながら北海道貯金をする事4ヶ月。
「おい三ツ谷!」
「何?」
「お前北海道旅行すんだろ?」
「おー、旅費貯まったからな。」
服飾専門学校で出会った友人がニヤニヤした顔で言う。
「これ見ろよ。」
ニヤニヤしながら見せてきたのはススキノの風俗情報だった。
「生挿入は出来ねぇらしいけどそれ以外なんでもおっけー、尚且つ18歳のめちゃくちゃ美人がいるんだけど動画撮影もおっけーらしいから一発ヤって見せてよ。ほら動画。」
そうして見せられたのはナマエが好き勝手に蹂躙されるハメ撮りだった。しかも大量に何本もネットに出回ってる。
「この子なんでもプレイおっけーだから必ず誰かの性癖に突き刺さるんだよなぁ〜可愛いし。これ俺の最近のオカズ笑。」
目の前が真っ赤になった。なんでこんな事してる?困ったら連絡しろって言ったよな?俺卒業アルバムに誰よりもデカく電話番号書いたよな?北海道に行く道中でナマエの源氏名で検索すると出るわ出るわハメ撮り。拘束されてるのもあるし、腹殴られてるのもある、何人もの男に輪姦されてるのもある。惚れた女のAVより過激でエロい姿だが見るのが辛い。ぜってぇー連れて帰ると北海道へ向かう電車の中で誓う。
北海道に着くとオープンすると同時にナマエが在籍してる店に入りナマエを指名。
「は?」
「よっ!」
俺を見くひるなり「げっ」という嫌な顔をされる。スタッフに「この人NG!!」と言われる前に部屋どこ?と聞いてビクビク怯えてるナマエと一緒にプレイルームに入る。
「俺困ったら連絡しろって言ったよね?」
「三ツ谷の連絡先なんて覚えてないもん……」
あぁやっぱり電話番号11桁は多すぎる、110番のように3桁ならナマエも覚えれただろうに。
「携帯だせ。」
今までなら【母親】と【父親】しかない連絡帳に俺の連絡先を追加するだけだったのに、今回のナマエの連絡帳は名前がびっしり。
「ふぅん、ナマエにしてはオトモダチたくさん居んじゃん。」
恐らく9割は客の連絡先なんだろう【村田AF】【山崎首絞め】【加藤腹パン】名前と共に客の性癖が一緒に登録されていて性癖の酷いレパートリーに目眩がする。連絡先を丁寧に全て消していく、なんなら客から連絡が来ないよう全てブロックだ。
父親と母親のみになった連絡帳に俺の連絡先を追加する。名前の後ろに性癖だったよな?じゃあ俺は【三ツ谷隆ナマエ好き】にしとくか。
「もう二度と連絡先変えんな、俺の前から消えんな。」
もう連絡先消されても大丈夫なようにいっそ一緒に暮らすか。うんそれがいい。目を離すと消えてしまうナマエをどうやって囲おうか?俺が居なきゃ生きていけない身体にしようか?まずはどうやって一緒に暮らすように言いくるめるかだ。もう一生離さねぇ。