ある日イチが目を覚ますとよく分からん場所にいた。地面っぽいものはあるけど妙に近い。どうやら自分が四つ足で尾ビレを持つ生き物(龍になりかけの龍魚。手足生えたオタマジャクシみたいなもん)になってるらしいことに気付く。
なんじゃこりゃ?と思ってたら猫又に遭遇する。なぜかそれが若だと直感できるイチ。
助けられなかった後悔と罪悪感が蘇り、涙がぶわっと出てきて「あの時間に合わなくてすいません、助けられなくてすいません」と謝罪を繰り返す。猫又は「なんだよもう困ったヤツだな…」みたいな顔をしながら脚にすりすりしてくれる。
猫又が慰めようとしてくれているのを見て、あぁ、もういいんだな、とフッと楽になるイチ。気付くとまた龍魚に戻っている。
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