ツキシマ君の彼女最近オープンしたカフェはショートケーキが美味しいらしい、という噂を聞いて、早速彼氏のケイ君を誘ってみた。
ショートケーキか好きな彼に熱弁しながらも、頭の中では(人多そうだし嫌って言いそうだなぁ…)と思っていたけれど、そんな私の悩みも他所に「別にいいけど」とぶっきらぼうに言ったケイ君の顔は少しだけ嬉しそうで。
やっぱり好きなものとなると違うんだなぁ、と笑みがこぼれる。
次のオフの日ね、と約束をして迎えたデートの日。
開店したばかりのカフェには行列が出来ていて、あ、これはダメなやつかな…とケイ君の顔を窺えば、やはり少し嫌そうな顔をしていた。
「ケイ君…、また別の日にしよ?人多いし」
「なんで。前から楽しみにしてたんでしょ。別に1時間くらい並ぶわけじゃないんだし良いよ。ほら行くよ」
6363