雨の日と819男子日向「傘差すのは当然です。雨に濡れると風引くかもしれないです。」
なんて、ものすごい真顔で言ってくる。
「だから、一緒に入っていくのです。」
出だしはしっかりしてるな〜、と思った女の子だけど、続きの言葉がぎこちなくて、おやっとなる。
「おやっ」と、なって固まってると「早く入るのです」ってぐいぐい傘を差し出してくる日向くんに申し訳ないと思いつつも傘に入ると最初の内はぎこちなく動いている日向くん。
けど、徐々に冷静になってきて車道側を歩いていた🌸ちゃんに気づいて、「こっち歩いてくんない」って車から離れた方に誘導する。
「どうしたの」って訊くと「そっちだと水跳ねるし、単純におれが傘を差しにくい、です。」って言う男前ぶりを発揮する。
影山「傘無いって、今日の天気予報見てなかったのか」
そう言って、一度は背を向けて歩き出す人にも自分にも厳しい影山くん。でも、途中で引き返して「ぐずぐずするな。早くしろ」って🌸ちゃん側に傘を傾けて待ってる。最初は意味が分からず固まる🌸ちゃんだけど、「傘、持ってないんだろ。」の言葉で理解する。
「入れてくれるの」
「···だから、早くしろって言ってんだろ。」
「なんで怒ってるの」
「怒ってねぇ」
傘の中に入った🌸ちゃんを確認するとスタスタ歩き始める影山くんだけど、ほんの少し小走りな🌸ちゃんに気づくと「アルクスピード…」「」「歩くスピード、速くねぇ…ですか」って歩く速度落としながら訊くし、傘に🌸ちゃんを入れてからはずっと顔が赤いまま、まともに顔も見れない。
菅原「傘入っ…なんで旭の方に行くんだよ。」
傘がなくて昇降口で雨宿りしている🌸ちゃんを見つけてすぐに声を掛ける。
「今部活終わったの」とか、自然に近寄って訊く。一方🌸ちゃんの方は、クラスは同じだけど爽やか過ぎて菅原さんのことが少し怖い、とか思ってる。
そんなこんなで、話をしていると菅原さんの背後に二年のとき同じクラスだった東峰さんを見つける。
菅原さんの方はまだ東峰さんに気づかないまま、「傘ないなら、入っ」と本題に入ろうとしているんだけど、「東峰くん。」という🌸ちゃんの声で我にかえる。
「あ、えと、おじゃま…だった」って訊く東峰さんと、勇気を出して声をかけたのに、あからさまに東峰さん側に行こうとする🌸ちゃんにほっぺを膨らませる菅原さん。
結局、🌸ちゃんと帰りたい菅原さんと、菅原さんと2人は気まずすぎるから嫌な🌸ちゃんに巻き込まれる東峰さんはいる。
月島「傘に入れて嫌に決まってるデショ?」
傘を忘れて雨宿りしている時にたまたま月島くんを見つけた🌸ちゃん。ダメ元でお願いしてみるも眉間にシワを寄せられ心底嫌そうに断る月島くんに、やっぱりだめかぁって苦笑する。
後ろから、遅れてやってきた山口くんが「俺ので良ければ傘入ってく」って🌸ちゃんに声をかけている声を聞いて驚きの速さで戻って来る。
「え、ツッキーどうしたの」
「山口の傘には僕が入る。」
「え、ツッキー傘あ「山口、イレテ。」え、あうん、」
結局、自分の傘は🌸ちゃんに押し付けて山口くんの傘に入る月島くんに、山口くんは聞きたいことがいっぱいのご様子。
黒尾「傘一丁っ喜んでぇっ」
頼んでもないのに、雨宿りしてる背後からまるで居酒屋の店員さんのような掛け声をする男。
声に驚いて振り返れば、にやりとした黒尾さん。
「あ、注文してません。」って🌸ちゃんが言うと「でも、困ってるデショ。」って返す。
それに悔しくて答えられずに黙っていると「まぁまぁ、お入りなさいな。」ってそっと肩に手を回して傘に誘導するのが黒尾さん。
冷静装ってるけど、心の中は🌸ちゃんを傘に誘導しながら、よくやった俺状態だしずっとドキドキはしてる。
「黒尾、足元気を付けて。」
「えうわっ」
って犬の糞も踏みかける格好つかない黒尾さんであってほしい。