あんたを噛む理由 漣ジュン「ジュンも彼女に噛み付くことってあるの?」
ダンスレッスンをしている途中、休憩を挟んでいたナギ先輩と俺はイスに座ってスポーツドリンクを飲んでいた。そんなことを言われた俺は飲んでいるにも関わらず、思わず吹き出しそうになりむせる。
「な! ナギ先輩突然なんすか?」
「……大丈夫?」
「大丈夫です。何でそんなことを?」
「以前彼女の首筋に噛みついたことがあるんだけど、普通はしないと怒られたから」
俺は何を聞かされているんだと思いながら軽く相槌をうつ。
「一般的にはどうなのか、気になって調べてみたんだ。そしたら、噛み付くのにも意味があるみたい」
「へぇ、意味なんてあるんですね」
「私は多分『甘えたい』かな。彼女といると構って欲しくなる」
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