キス魔な彼 乱凪砂 凪砂くんはキスをしたがる。「どうして?」と聞いても、「したいから」と答えるだけだ。私はキスをされる度、いつもはあまり言葉で多くを表さない彼の気持ちが伝わってきて、嬉しくなるから好きだ。しかし、彼はどう思ってるのかが気になる。
「キスしている時どんな気持ち?」
「えっと。君は私のものなんだなっていう気持ち、かな」
「独占欲みたいな?」
「……よくわからないけど、ずっと君とこうしていたいって思う。……言葉で表すのは難しいね。君としていると、温かい気持ちになるんだ」
明確にわからなくても、拙いながらも言葉にしてくれる彼に愛しさを覚える。
「君は、どんな気持ち?」
「うーん。キスをする度、凪砂くんのことが好きになっていくよ」
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